【わたモテ】第11巻 感想③ 理想との乖離が無い黒木、読める本が無い吉田

漫画
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皆さん、こんにちは!エンタメ侍です。

前回に続き私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(以下、わたモテ
第11巻の感想記事になります!

【わたモテ】第11巻 感想② 少女の更生を願う姉の依頼「外でウンコしてみて」
前回に続き【わたモテ】の第11巻の感想となります。この記事で扱うのは第103話~第106話についてです。
【わたモテ】全キャラ登場回まとめ(高校1年生編)
今回は【わたモテ】の高校1年生編を対象とし、全キャラ毎にその登場回をまとめていきます。
【わたモテ】全キャラ登場回まとめ(高校2年生編)
今回は【わたモテ】の高校2年生編を対象とし、全キャラ毎にその登場回をまとめていきます。

以下より第107話からエピソード単位で感想&考察を記述していきます。

◆【私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!】第11巻 感想③

▼感想&考察

◎[喪107]モテないし気にかけられている

感想&考察

今回は、体育の授業中に起こった一幕であり、
現在のもこっちを取り巻く新たな人間関係を再確認させるような内容でした。

荻野「じゃあ今日は二人組になって準備運動はじめてー」

早速、ぼっちを殺しにかかる荻野先生。
指示が出た後、ネモ・茜ちゃんのペアなど次々と二人組が構成されていきます。
その状況を呆然と見ていたもこっち。

しかし、今心臓にOGINO銃弾<バレット>』を打ち込まれたのは“ぼっち”であり、
ぼっち”ではない
のです…!

ゆり「えーと じゃあ3人で…」
立ち尽くしていたもこっちを優しく迎え入れる、ゆりちゃんまこっち

彼女たちは、修学旅行編を経てようやくもこっちにできた、
かけがえのない友人であり、まだ数少ない彼女の理解者です。
(※『修学旅行編』の詳細は第8巻『[喪71]モテないし出発する』から
第9巻『[喪81]モテないし秋葉原に寄り道する』までを参照。)

【わたモテ】第8巻 感想② 修学旅行編開幕!「乳首つまんでごめんなさい…」
前回に続き【わたモテ】の第8巻の感想となります。この記事で扱うのは第71話~第74話についてです。
【わたモテ】第8巻 感想③ 黒木・田村・吉田、三人で得たかけがえのないもの
前回に続き【わたモテ】の第8巻の感想となります。この記事で扱うのは第75話~第77話についてです。
【わたモテ】第9巻 感想① 修学旅行編終幕!「処女でも気にすることないよ」
今回は【わたモテ】の第9巻の感想となります。この記事で扱うのは第78話~第81話についてです。

さらに先程のコマの左上には、もこっちのことを遠くから見つめるうっちーの姿が…!

第11巻『[喪105]モテないしお返しをする』にて、もこっちへの想いがついに爆発した彼女。
今後も定期的に“気付けばここにもうっちーという
ウォーリーをさがせ!』的な描写が増えていくのですが今回がその始まりといえるでしょう。
このエピソードだと彼女の出番はここだけですからねw

事情を知らない隣のかよちゃんは、“何見てんの?”という感じで不思議そうにしていますね。
そんな二人は第16巻『[喪152]モテないし(・_・)』にてついに衝突することに…!
その不穏な空気の前触れもここが始まりだったのかもしれません…。

【わたモテ】第11巻 感想② 少女の更生を願う姉の依頼「外でウンコしてみて」
前回に続き【わたモテ】の第11巻の感想となります。この記事で扱うのは第103話~第106話についてです。

そんなこんなで三人組で準備運動を始めようとしていたもこっちでしたが、
彼女へ「おい」とさらに声を掛ける人物が。

彼女はピュアヤンキー改め、吉田 茉咲
そして結成される、黒木・吉田ペア…!

この“つながり”ももこっちが修学旅行編で掴み取った新たな関係性
さらに吉田さんは第10巻『[喪98]モテないし冬の雨』にて、
今江先輩からメタ的な意味でもある重要な役割を託された存在です。

【わたモテ】第10巻 感想③ 本心を隠すリア充と本能で生きる主人公の邂逅
前回に続き【わたモテ】の第10巻の感想となります。この記事で扱うのは第96話~第98話についてです。

ここまでの描写が示す通り、もこっちはもう決して一人ではありません。

第2巻『[喪10]モテないし無表情になる』にて、
体育の授業中にグループに入れず荻野先生に注意されていたもこっちも、
第6巻『[喪50]モテないし夕暮れの教室で一人佇む』にて、
ペアで行うテニスの課題をサボって居残り補修を受けていたもこっちも、
もうここにはいないのです…!

そんな彼女の変化を微笑ましく、“うん うん”と頷いていた人物こそ、
上記の出来事全てに関わっている荻野先生でした。
そのいかにも“そう、それで良いのよ!ここまでよく頑張ったわね!”、
という超保護者目線な様子に、思わずもこっちは心の中でツッコんでしまいます。

もこ(何わろとんねん!!

ここで少し違った読み方をしてみます。
荻野先生の他に彼女と同じ様な目線・表情でもこっちを見ていた人物がいませんでしたか?
もこっちのこれまでの成長を見届け、
それを微笑ましいものとして捉えていた人物がいましたよね?
そうです、それは我々読者です。

もこっちの少し気恥ずかしさの混じった“何わろとんねん!”というツッコミは、
我々読者にも突き刺さる言葉になっているのです。
ではなぜ、そのような構造が成り立っているのか?
それは荻野先生の立ち位置・役割が大きく変化しているからなんです。

彼女はこれまで、たとえ強引にでももこっちの手を引っ張り光差す方へと導いてきました。
もこっちに嫌われようと・読者に嫌われようと、それが彼女の大きな役割でした。
しかし今もこっちは苦難の日々を乗り越え、ようやくかけがえのないもの”を手に入れました。

つまり今江先輩と同様、荻野先生もまた、その大きな役目終わりを迎えていたのです。
そして現在、彼女の立ち位置は自ら渦中へ飛び込み口出しするようなものではなくなり、
もこっちの成長を優しく見守る、それこそ読者のような立ち位置へと変化しています。

今後荻野先生に対してのツッコミは、
今回の様に“我々読者にも向けられたキャラたちからのメッセージと捉えることができる、
そんなエピソードがあるかもしれません。
少々強引な読み方かもしれませんが、“こういう解釈もあるんだな~”程度に頭に入れておくと、
少し多面的に作品を楽しめるかもしれませんね。(*´꒳`*)
きーちゃん同様、あとどれくらい登場回数が残されているのかわかったもんじゃないですがw

【わたモテ】第2巻 感想① 「誰かと一緒に過ごしたい」ぼっちの儚い願い
今回は【わたモテ】の第2巻の感想となります。この記事で扱うのは第10話~第12話についてです。
【わたモテ】第6巻 感想② 荻野先生のセリフは読者へのメッセージ???
前回に続き【わたモテ】の第6巻の感想となります。この記事で扱うのは第50話~第52話についてです。

準備運動も終わり、授業内容は校内マラソンへと移ります。

小陽ちゃんたちが喋りながらダラダラと走っている横を、
結構な速度で通り過ぎるネモと茜ちゃんの二人。
特にネモの懸命さは運動部出身の茜ちゃんから見ても目を見張るものがある様子。

茜 「陽菜 速くない?」
茜 「ていうか ひなってこういうマラソンとか筋トレだけはマジでやるよね
ネモ「うん…だって ダイエットになるじゃん」
ネモ(声優になるにはそこそこ体力つけとかないといけないし)

今まで通り、親友の茜ちゃんにでさえ本心を隠し、日々を過ごし続けるネモ。
今、彼女が自分の本心を打ち明けられる相手はただ一人…。

茜 「ちょっときついから私は流すわ」
ネモ「うん」
茜ちゃんと離れたネモは、自分たちよりも前で
ひたすらに全力で走り続けているもこっちのもとへと駆け寄りました。

ネモ「黒木さん随分本気で走ってるね」
もこ「え!?う…うん」
もこ(全員手を抜いているマラソンだと1位をとれるからな……)

このマラソンの順位ですが、何とも興味深いものになっています。

普段リア充側の存在として日々の学校生活を謳歌しているはずの人物ほど、
その周囲の友人同士で空気を読み合い、後方で足並みを揃えて走っています。
一方、我関せずと独走態勢で先頭を走り続けているのが元ぼっち”であるもこっちでした。
そしてさらにそんな彼女へ追いつこうと必死に食らいつくカタチで走っているのがネモです。

本人の意思はどうあれ、ありのままの姿で日々を駆け抜けている者ほど前を行き
また、そうありたいと願う者がその後に続く…。
これは心の在り方そのものが反映されているようにも思えます。

第4巻『[喪30]モテないし走る』にてマラソンは得意だと豪語していたもこっちでしたが、
まさかその設定がこのようなカタチで生かされることになるとは…!

【わたモテ】第4巻 感想① 大好きな『おねえちゃん』からの贈り物とその意味
今回は【わたモテ】の第4巻の感想となります。この記事で扱うのは第28話~第32話についてです。

しばらく肩を並べて先頭を走っていた二人ですが、ふともこっちへ話しかけるネモ。

ネモ「今 なんか見てるの?アニメ
もこ「え!?えーと ま…まほいくとか…」
ネモ「あー ああいうの好きそうだよね」
そう呟いた後、これまでの彼女からは想像もできない一言がもこっちへと返されます。

ネモ「私はあれ嫌いだけど

ネモ「やっぱり気は合わないね

それだけ言い残し、彼女はさらに速度を上げて走り出しました。
本心をさらけ出した者はさらに前へ…。

彼女の先のセリフには、続く言葉が隠されています。
“やっぱり気は合わないね

“だから、嫌い”、ではないのです。

“やっぱり気は合わないね

“でも私達の関係なら、無理に気を合わせる必要もないんだよね?

根元 陽菜は今、新たな自分…いや、本来の自分を取り戻そうとしているのです。

そして、少し出遅れることになったもこっちですが、
次は彼女の立場になって考えてみましょう。
今、彼女の前に突き付けられた事実。それとは…。

リア充からケンカ吹っ掛けられた、というだけのこと…!www(*´꒳`*)

ここから始まるは、デッドヒート…!!
どちらかが抜き去れば、またどちらかが抜き去り返す…!
なりふり構わず、ただがむしゃらに全力で最後まで駆け抜けた二人。

終わってみれば、その場でへたり込み肩で息をしているのはもこっちとネモの二人のみ。
他のクラスメイトたちがにこやかに談笑する傍ら、
へとへとになりながら今頃になって落ち着きを取り戻し始める両者。

もこ(くそが……こんなマラソンで本気出すなよ!)
ネモ(何やってんだろ こんなことに本気出して……)

そしてそんな二人へ、ここまで傍観者であり続けた“彼女”盛大な拍手と共に、
ようやくその口を開きました。

荻野「二人ともよく頑張ったわね!!」
荻野「何事にも常に全力で取り組むその姿勢があれば きっと夢は叶うはずよ!」

ここで、第10巻『[喪90]モテないし将来について考える』での、
荻野先生のセリフを振り返ってみましょう。

荻野「だから 絶対根本が声優目指してるなんて言わないわよ

結構ほのめかしてんじゃねーかwww

【わたモテ】第10巻 感想① 純粋無垢な少女の願い「見てみたいな ち●ち●」
今回は【わたモテ】の第10巻の感想となります。この記事で扱うのは第89話~第91話についてです。

この熱血教師の激励を受け、
もこ「死ね」
ネモ(そこだけはちょっと気が合うね

と、全力で競い合った者同士、空気を読み合わずとも、
最後の最後で他の誰よりもこの二人の足並みが揃うのでした…!
というところで第107話が終了。

わずか5ページながら新たな関係性も匂わせつつ、
これまでの総復習のような内容にまとまった本エピソード。
圧倒的な密度の高さでしたね!
個人的には、何わろとんねん!の考察を書き終えた辺りで
まだ2ページ目の一コマ目という事実に気づき、震え上がってましたよ…w
恐ろしきわたモテ】考察…!!(※勝手にやってるだけ)

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◎[喪108]モテないし弟は思われてる

感想&考察

自分の部屋で本を読んでいたもこっち。
すると、ドアをノックし現れる来訪者…。

智貴「ちょっといいか?」

彼が自分からもこっちの部屋に訪れるのは第10巻『[喪89]モテないし忘れ物する』にて
自室に残されたこみちゃんの忘れ物を届け、注意しに来た時以来のこと。
そして、今回の要件はそのことにも大きく関わる内容でした。

【わたモテ】第10巻 感想① 純粋無垢な少女の願い「見てみたいな ち●ち●」
今回は【わたモテ】の第10巻の感想となります。この記事で扱うのは第89話~第91話についてです。

智貴「………お前の友達で」
智貴「この前 俺の部屋に勝手に入れてた人いるだろ」
もこ「友達じゃねーよ
そこだけは絶対にゆずれないもこっち…w

もこ「つーか それがどうした?」
智貴「いや ちょっとな…」
智貴「どんな奴かわかんねーから聞こうと思っただけだ」

彼がこみちゃんの言動に困惑しているのも無理ありません。
先のエピソードでの『自宅ベッド不法侵入』事件もそうですし、
直近では第11巻『[喪106]モテないし最後の冬』にて、
どぅもおぉおーーーーーーー!!』事件があったばかりですw

【わたモテ】第11巻 感想② 少女の更生を願う姉の依頼「外でウンコしてみて」
前回に続き【わたモテ】の第11巻の感想となります。この記事で扱うのは第103話~第106話についてです。

弟が頭を悩ませている現状を知り、
もこっちは姉としてそんな彼を救うべく一つのゆるぎない真実を告げました…。

もこ「あいつはド変態だ それ以上でもそれ以下でもねーよ」

それ以上の可能性は残してもいい気がするが…w

ところで智貴からもこっちの部屋を訪れた場面はこれまで数回だけ描かれていますが、
彼が中まで入って来てさらには床に座り、
ここまでしっかりと対話したのは今回が初めてのことです。
第11巻『[喪102]モテないしいつかの冬休み』で描かれた内容も踏まえ、
二人の間を流れる空気はいくらか柔らかくなった印象を受けます。

以下は、第1巻のおまけ漫画の感想で述べた内容より一部抜粋。

このおまけ漫画から察するに、
幼少期の頃のもこっちは姉としての包容力がしっかりあり、面倒見も良く母性すら感じます。
一方、当時の智貴はお姉ちゃん子であり、頼れる優しい姉を心から慕っています。

(※中略)

これは逆に言うと、もこっちが学生生活を充実させ、
自信や余裕を取り戻すことができれば、またかつてのように智貴に対し
姉としての包容力ある接し方ができるようになるのではないでしょうか?

“その時”は近い、といったところでしょうか。
いずれにせよ今回の二人が対話する場面には
黒木姉弟の関係性にまた新たな展開が生まれつつある
そう感じさせてくれる描写となりました。

【わたモテ】第1巻 感想② 失敗&大失敗、ときどき乙女
前回に続き【わたモテ】の第1巻の感想となります。この記事で扱うのは第5話~第9話についてです。
【わたモテ】第11巻 感想① まこっちに学ぶ交渉術、『友達or即レ●プ』
今回は【わたモテ】の第11巻の感想となります。この記事で扱うのは第99話~第102話についてです。

そして、翌日。

学校の廊下を歩いていた朱里ちゃんは人目もはばからず軽やかなステップで舞うド変態
小宮山 琴美の姿を目撃…!w

朱里「何してるんですか?

本当に何してるんですか?www

こみ「あっ朱里ちゃん!?お おはよ」
朱里「あっ おはようございます」
朱里(朱里ちゃん?

こみちゃんは急に声を掛けられ動揺したのか、
咄嗟に“朱里ちゃん”と下の名前で呼んでしまいます。
今までは“井口さん”と苗字で呼んでいたのですが、
このエピソード以降では“朱里ちゃん”呼びが定着します。

実はこれ、こみちゃんを語る上では結構大きな出来事だったのではないかと思います。
これまでこみちゃんは、
たとえ仲の良い友人であっても相手のことをずっと苗字で呼んできました。
それはどこか、彼女の中にある心の壁を感じさせるものでもありました。

そんな彼女が急な部分があったとはいえ、
今回朱里ちゃんに対して初めて名前呼びをしたのです。
ゆうちゃんでもなく、伊藤さんでもなく、
恋敵であるはずの朱里ちゃんに対して、というところが非常に面白いところです。

第11巻『[喪101]モテないし思いを伝えられる』にて、
こみちゃんから朱里ちゃんに向けて告げられた、こんなセリフがありました。

こみ「あの言葉を聞いた時 私はこの子は偽物じゃない 本物だって思った」
こみ「偽物<レプリカ>じゃなく本物じゃないとあんなこと言えない

思考のロジックこそめちゃくちゃではありますが、上記の言葉が示す通り、
こみちゃんは朱里ちゃんのことを同胞として認めている節が随所に見受けられ、
実は誰よりも心を開くべき相手として信頼しているのではないかと感じます。
この際、上のセリフにおける“あの言葉”“あんなこと”が、

朱里「私も見てみたいな 黒木くんのちんちん

のことを指しているという点はもう忘れてあげようじゃないですか…!w(*´꒳`*)

(※第10巻『[喪91]モテないし邂逅する』参照)

【わたモテ】第10巻 感想① 純粋無垢な少女の願い「見てみたいな ち●ち●」
今回は【わたモテ】の第10巻の感想となります。この記事で扱うのは第89話~第91話についてです。
【わたモテ】第11巻 感想① まこっちに学ぶ交渉術、『友達or即レ●プ』
今回は【わたモテ】の第11巻の感想となります。この記事で扱うのは第99話~第102話についてです。

朱里「楽しそうですけど 何かありました?
と、何気なく質問をしてみる朱里ちゃん。
しかし、対するこみちゃんのリアクションで彼女は驚かされることに…!

こみ「あっうん 智貴くんに…」
朱里「え?」
こみ「あっ!?」
“いっけない!(≧∇≦)”ってな具合で、慌てて口に手を立てるこみちゃん…。
そして、彼女は言葉を続けます。

こみ「んーん なんでもない
急に顔を赤らめる純粋無垢な少女』の皮をかぶったド変態…!w

これを受け、瞬間的に眉をひそめる朱里ちゃん…!(と読者!w)

朱里「えーなんですかー?気になるじゃないですか?」
と、早速探りを入れるものの朱里ちゃんに悪いし…」とかわされてしまいます。

それでも尚、追及すること数回、
こみ「う うん そうだね あの実はね…智貴くんにね…」
ようやく口を開くのかと思いきや、
こみ「ああー!やっぱり駄目 絶対怒るもん!!
と、さらに煽ってくるこのド変態…!w むしろ怒らせにきてんだろ?w

これにはさすがの朱里ちゃんも、
朱里(この人 人を怒らせるの得意なのかな?
と、“激おこぷんぷん丸”状態に…!www

しかし、ここで一度冷静になる朱里ちゃん。
朱里(でも 何…?私が怒るって何?先輩が智貴くんに何?)
朱里(二人で立ち話したとか?まあそれくらいなら…)
朱里(それとも告白されたとか?ううん それは絶対ないと思う……)

朱里(だって先輩ってド変態だし!
それ、共通認識かよwww

そんなこんなでこみちゃんもとうとう折れ、
ついに明かされる、彼女が浮かれているその原因…!

こみ「あの じゃあ言うけど 怒らないでね」
こみ「実は昨日ね 智貴くんにあいさつされちゃった!
無邪気にはしゃぐ彼女の瞳には一点の曇りもありません…!
思わず「それだけですか?」と聞き返してしまう朱里ちゃんでしたが、
こみちゃんはただ「うん!」と元気よく答えるのみ…。

少々イラついてきた朱里ちゃんは、
少し棘のある表現でこみちゃんを刺激してみるものの…。

朱里「そ…それだけで喜べていいですね」
こみ「うん!私はそれだけで嬉しくて それだけで幸せなんだ!」

ついには翼まで生え出す始末…!www

この状況に朱里ちゃんはショックを隠し切れません。

朱里(何この人…!?今まであんな下品で私のこと同じ道に落としたくせに)
朱里(自分だけ急に奇麗なこと言い出して…!)
朱里(なんかわからないけど 凄いずるい!!

うっすら悔し涙を浮かべる朱里ちゃんですが、
今の有頂天なこみちゃんには気付けるはずもありません…。

すると、ちょうどそのタイミングで通りかかったのは智貴…!
少し遠くからこみちゃんと朱里ちゃんが話しているのを目撃します。

こみ「じゃあね 朱里ちゃん」
そう言って、こみちゃんがその場を去ると同時に智貴は朱里ちゃんへと話しかけました。

智貴「ちょっといいか?」
朱里「!?と 智貴くん!?」
智貴「さっき話してたメガネの先輩?どういう人?
朱里(えっ!?)

突然のことに理解が追い付かない朱里ちゃん。
今はただ、聞き返すことしかできません。

朱里「な…なんで…?」
智貴「まあ…ちょっと気になってな…」
朱里「!?」

もちろん、智貴はこみちゃんのことを異性として気になっているのではなく、
ヤバい奴として気になっているだけです…w
もこっちの言葉のみで決めつけるのはよくない、
という律儀な智貴らしい判断から現在の行動に至りました。

ただ、朱里ちゃんとしては当然(なんであの人なの…?)となります…。
朱里(私はあの人のせいで色んな嫌な目にあってるのに…)
朱里(……だったらあの人がどんな人か智貴くんに教えてあげよう…)

そして、彼女は小悪魔的な笑みを浮かべ、真実を述べようと口を開きました…。

朱里「先輩だけどあの人はね……」
その時、彼女の脳裏をよぎったものは、
こみちゃんの屈託のない笑顔と裏表の無い心からの喜びの言葉でした…!

こみ「智貴くんにあいさつされちゃった!

こみ「私はそれだけで嬉しくて それだけで幸せなんだ!」

穢れを知らぬ少女の様に喜びを全身で表していた彼女の姿を思い出し、
朱里ちゃんは言葉を詰まらせます…。

朱里(そんなの…私だって一緒なのに…!)
そう思う心の叫びとは裏腹に、
いつの間にか朱里ちゃんの表情はいつもの優し気なものに戻っていました…。
下品で・ずるくて・ド変態な先輩…。
でも、一途で・無邪気で・時折少女のような一面も見せてくる先輩…。
そのどれもが本当の小宮山 琴美であり、裏表がない…いや隠すことすらできない、
そんな彼女の不器用さを朱里ちゃんは既に知っているのです。

“小宮山 琴美はどういう人か
先の問いかけに対し、ようやく口を開く朱里ちゃん。

朱里「あの人は…」
朱里「すごく…純粋な人かな…」

たとえ、それが恋敵をアシストすることになったとしても、
彼女にはあの純粋無垢な先輩を裏切ることができませんでした。
それもまた、朱里ちゃんの良さであり、
この奇妙な先輩後輩関係に新たなつながりを作ることになります。

朱里ちゃんと別れた後、智貴は頭の中で得られた情報を整理していました。
もこ『あいつはド変態だ』
朱里『純粋な人かな…』
“小宮山 琴美とは一体…?”
そう思いながら校舎を歩いていた智貴はまたまた偶然こみちゃんのいる現場に出くわします。
しかも、今度はもこっちと言い争っている状況です…!

もこ「そういや弟からお前について聞かれたけど何かしたのか?
こみ「へ!?と 智貴くんが私のこと!?な なにもしてないよ!」

今回も智貴は少し距離を取って二人の言い争いを見守ります。

こみ「ちょっとあいさつで肩に触っちゃっただけだよ……」
もこ「……触った手で変なことしてねーだろうな?」
こみ「そ そんなこと言えるわけないだろ!!
もこ「何言えないことしてんだ!!このド変態が!!」

その瞬間…!
智貴の頭の中では点と点とがつながり、線となったのです…!

智貴(……純粋なド変態ってことか…?)

朱里ちゃんの葛藤とは一体何だったのか…!?www
後輩からの決死のアシストなど受け付けぬとばかりに、
たった一発で常人の壁を突き破る場外ホームランを打ち放ったこみちゃん…!
しかし、智貴はまだ知らない…。
そんな純粋なド変態に自分の使用済みタオルを使用されているとうことを…!w
(※第10巻『[喪93]モテないしプレゼントを渡す』参照)
というところで第108話が終了。

いろいろとショックを受けていた朱里ちゃんでしたが、
よくよく考えてみると智貴からすれば
自分の“ちんちんを見たい”と言った同級生の女の子に対し、
何事もなかったかのように今回普通に声を掛けていたのです。
こみちゃんという圧倒的ド変態の存在によって、
朱里ちゃんの失態はいつの間にか智貴の中から薄れている気がします。
まぁ、ならもう良いのかと言われるとそうでもないんでしょうが…w

なんだかんだ、結局は持ちつ持たれつな所がある変態シスターズ
次に登場する第12巻『[喪113]モテないしバレンタインデーを送る②』では、
まさかのアツい女の友情というものを見せてくれます…!
そして智貴はというと、これまた“とんでもないもの”を見せつけられる事態に…!w
彼は一度お祓いに行った方が良いのではないでしょうか?w

【わたモテ】第10巻 感想② LGBTを語る主人公は弟想いでつり銭パカパカ
前回に続き【わたモテ】の第10巻の感想となります。この記事で扱うのは第92話~第95話についてです。
【わたモテ】第12巻 感想① バレンタイン、姉妹で解こう『ちんこの呪縛』
今回は【わたモテ】の第12巻の感想となります。この記事で扱うのは第110話~第113話についてです。
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◎[喪109]モテないし雪の日の学校

感想&考察

が降り注ぐ中、白い息を吐きつつ
この物語の主人公は今日も同じく学校へと向かいます。
当然ながら全くもって乗り気ではありません…w

登校前には、
もこ「お母さん 今日雪だし休んでいい?
と、少しの抵抗をしてみたものの、
母 「大丈夫よ 電車は動いてるみたいだし 智貴も行けたみたいよ」
あえなく撃沈…!w

もこ(くそ……この雪なら学校休みだと思ったのに……)
もこ(お前らそこまで学校に行きたいか?

迷い無く学校へと歩みを進める生徒一同を見つめ、
“全く気が知れないぜ”とでも言わんばかりの感想を呟くもこっち。

これまでの彼女にとって学校』とは“つらく、悲しい現実を痛感させられる場所”でした。
行かなくていいのであれば決して足を運びたくない世界…。

しかし、それはあくまでこれまでの”彼女にとってのお話。
世界は既に変革を迎え、紡がれるのは新たな物語の数々。

今回は自らが積み上げてきた軌跡その末に到達した“新たな現実”に
彼女がようやく直面してそれを受け入れる
そのようなお話。

そして少女はまた一歩、足を踏み出すことになるのです。
飽きれ混じりに今彼女が見つめている、あの生徒たちのように…。

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教室について早々、もこっちは驚きます…!

もこ(人いねぇ!!誰も来てねーじゃねーか!!)

生徒はまばらで、見知った人物など皆無の状況。
とりあえず席に落ち着き皆の登校を待っていると、荻野先生がやって来ました。

なんでも、のせいで交通機関に影響が出ており多くの生徒が遅れて来る、とのこと。

荻野「とりあえず授業は通常通りやる予定だけど」
荻野「状況によっては午後は休校になるかもね

これを受け、我らが主人公は思います。

もこ(よし もう誰も来るな!

しかし、そんなクズの願いが叶う訳もなく、
直後のコマでゆりちゃんがあっさり登校w

ゆり「まだ誰も来てないね 真子もLINEでバス動かないって言ってた」
もこ「へー…」
二人がそんな会話をしている最中、加藤さんも教室へ到着。

第11巻『[喪106]モテないし最後の冬』より、
席替えによって加藤さんの座席はもこっちのひとつ前の座席になっています。

加藤さんは席に着くや否や、
振り返ってもこっちの側に立っていたゆりちゃんに話しかけました。
加藤「おはよ 全然いなくない?」
ゆり「あっ おはよ そ そうだね………」

これまでもゆりちゃんはもこっちと感性がよく似ている
という描写が多々ありましたが、この場面もその一つです。
まだ関係性がしっかりとできていない、
ましてや加藤さんのようなリア充全開な存在から急に声を掛けられると、
緊張してしまうのです。
返答する際に言葉をつっかえてしまう所などは、もこっちそのもの。

だからこそ、そんな似た者同士の二人は互いに気を使うことなく
徐々にではありますが本来の自分をさらけ出すことができています。

これもまた過去のもこっちには到底想像し得ない、
今の彼女がようやく手に入れたかけがえのないもの”の一片です…。

【わたモテ】第11巻 感想② 少女の更生を願う姉の依頼「外でウンコしてみて」
前回に続き【わたモテ】の第11巻の感想となります。この記事で扱うのは第103話~第106話についてです。

結局生徒の集まりは悪いままであり、一時限目は図書室での自習となりました。

他のクラスメイトがスマホをいじる中、
もこっちだけはいつも通り適当な本を選びそれを読んでいました。

すると、もこっちは隣に座るゆりちゃんから声を掛けられます。

ゆり「何 読んでるの?」
もこ「え…?ラ ラノベだけど…」

ゆり「ふーん…面白い?」
もこ「ま…まあまあかな……」
ゆり「あまり本とか読まないけど 私も読んでみようかな

普段本を読まないというゆりちゃんのために、
もこっちは一緒になって本の選別をしてあげることに。

これで一段落かと思いきや、
席に戻ったもこっちへ今度は加藤さんが声を掛けてきました。

加藤「暇だから私にも何か本 紹介してよ
もこ「へ!?」

そして加藤さんのために再び本棚まで一緒に出向き、手頃な本を選んであげたもこっち。
もこ「ふーーー」
と、席に戻ったのも束の間。
彼女にまたしても声を掛ける人物が。

吉田「私にも教えろ本
もこ(…またかよ)
今度は吉田さんが本をご所望とのこと。

またしても本棚に一緒に出向くもこっち。
ここまで、彼女はその人物に合わせた本というものをしっかり考慮して選択しており、
何も適当に選んでいる訳ではないのです。

そしてもこっちは今回の依頼主が吉田さん、すなわちヤンキーであることを考慮し、
最良の選択をするべく神経を研ぎ澄ましていました。

もこ「えーと…や…や…やざわ ないな……」

そして告げられる残酷な現実…。
もこ「ごめん よ 吉田さんが読める本ここにないと思う……」
吉田「なめてんのか?

これはYAZAWAキレていい案件www

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と、ここまで同じ様な展開が二度三度続いているのですが、
実はこのもこっちを介してクラスメイトが次々と本を手に取る”
という流れはこのエピソードにおける重要な骨子となっており、
深い別の意味が隠されていると私は考えます。

もう少し話を先に進めます。

二時限目になり、教室に戻った一行。
すると、ここでようやくまこっちが到着。
相変わらず生徒は集まっておらず、自習の時間が続いていました。

教室の光景を見たまこっちは、ある疑問を抱きます。
席についた彼女は左隣のゆりちゃんへその疑問を投げかけました。

まこ「なんかみんな本を読んでるけど何?」
ゆり「一時間目が図書室で自習だったからその流れでかな」

まこ「ゆりは何読んでるの?」
ゆり「黒木さんに薦められた本 もう少しで読み終わるけど読む?」
まこ「うん」

ゆりちゃんや加藤さんだけでなく、
今となってはクラスメイトのほとんどが本を読んでいました。
最初から本に手を出していた生徒もいるでしょうが、
中にはもこっちが薦めた本を読む彼女らの姿を見て、
そこから本を手に取った生徒もいるでしょう。

では、ここまでの流れで一体何が描かれているのか

それはもこっちの行動・選択巡り巡ってクラスメイトの行動に影響を与えている
ということであり、これをもって
わたモテ】における過去現在明確な違いが表現されているのだと思います。

1年生当時、もこっちには教室に自分の居場所がなく
はっきり言ってしまえば、教室にいてもいなくても同じ存在でした…。
例えば第3巻『[喪20]モテないし準備する』では、
彼女は文化祭の準備にうまく参加することもできず
クラスメイトからも扱いにくい存在と思われているような描写がありました。

そんな彼女が今や“誰か”に求められ、“何か”を与える側になっているのです…!
それこそまさに彼女が入学当初から熱望し、追い求め続けてきたもの。

また、このような変化の起点となった修学旅行ですが、
行き先を決定づけたのは何を隠そうもこっちが取った行動の結果・影響であり、
その事実にはこの物語全体に通じる一貫したテーマを感じずにいられません。
(※第6巻『[喪49]モテないし行き先を決める』参照)

【わたモテ】第3巻 感想① 初めての文化祭、『抱擁』がもたらしたものとは?
今回は【わたモテ】の第3巻の感想となります。この記事で扱うのは第19話~第21話についてです。
【わたモテ】第6巻 感想① 紐解かれるこみちゃんの過去と現在、やっぱ変態
今回は【わたモテ】の第6巻の感想となります。この記事で扱うのは第47話~第49話についてです。

さて、ここまでで描かれたのはもこっちを取り巻く周囲の環境変化です。
そしてこれより描かれるのは、それらを受けたもこっち自身変化となります…。

三時間目。
他のクラスメイトよりかなり遅れることになりましたが、
ここでようやく清田君も到着しました。
清田「いや マジでどこも動かねーの!!隣のクラスの奴らとタクシーで来たわ
そう、彼が嘆いていたタイミングで荻野先生が再び教室へ入ってきました。

荻野「えー先ほど 臨時職員会議の結果……」
荻野「今日は午前中授業になるので この3時限目で終了ね
案の定、午後は休校に。

しかし、この発言に対し黙ってはいられない清田君…!
清田「うぉい!!なんの為に俺来たんだよ!!」
一瞬にしてどっと沸くクラスメイトたち。

そして、もこっちはというと…。

もこ「ふっ…」「……!!?」

清田君の発言に対し思わず笑みがこぼれ、直後に取り乱すもこっち。

もこ(くそっ…!!微笑とはいえあいつで笑ってしまった…!!

ここで振り返るべきは第5巻『[喪39]モテないし自己紹介する』の内容。
清田君とは実は入学当初から少し因縁のあるもこっち。
自己紹介スベり倒したもこっちの直後、
たった一言でクラスの爆笑をかっさらっていた清田君に対し、
彼女はその後もどこか強い嫉妬心を感じさせる言動をとっていました。

以下は、第3巻『[喪19]モテないし二学期が始まる』の感想より一部抜粋。

ここで感じたことは、もこっちが本来なりたかった自分像って
まさに清田君のような立ち位置だったんじゃないかな~、と。
普段から自分の発言でクラスメイトたちを笑わせ、
異性とも仲良く会話のできる、親しみやすい皆の人気者。
本当は求めていたモノのはずなんですが、あまりにも自身の現状からかけ離れているためか、
もこっちはリア充っぷりを発揮する清田君にいつも心の中で暴言を吐いている印象です…w

以前から記述している通り、私の中で清田君ともこっちの関係性は“理想”と“現実”。

だからこそ…!今回、もこっちがたとえ微笑であったとしても
“清田君の発言に笑みをこぼした”という事実には非常に大きな意味があり、
それはつまり、まだ無自覚ながらも彼女の中で“理想”と“現実”の乖離が無くなりつつある
ということが示されているのだと私は感じました。
“いつか夢見た自分”へ、彼女は気づかぬ内に歩みを進めているのです…。

【わたモテ】第3巻 感想① 初めての文化祭、『抱擁』がもたらしたものとは?
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困惑していたもこっちでしたが、そんな彼女へ前の席の加藤さんが振り返り、
先程の本を掲げながら声を掛けてきました。

加藤「これまあまあ面白かったよ
もこ「えっ あっそ…そう つ つまらなくなくて よ よかった…」

少しびくびくしながらも、ほっと胸をなでおろすもこっち。
これもまた、彼女が他者へ“何か”を与えた一つの結果です。
しかし、その結果にはまだ少し“”がありました…。

もこっちのをじっと見つめていた加藤さんは、ここである提案をします。

加藤「ちょっと手かして」
もこ「え?手」
加藤「ネイルやっていい?
もこ「あ え… うん」

第11巻『[喪106]モテないし最後の冬』より、お化粧を通じて構築された二人の新しい関係。
まだ少しずつではありますが、徐々に密なものへと発展していきます。

【わたモテ】第11巻 感想② 少女の更生を願う姉の依頼「外でウンコしてみて」
前回に続き【わたモテ】の第11巻の感想となります。この記事で扱うのは第103話~第106話についてです。

前回同様、もこっちは加藤さんにされるがまま。
もこ(ネイルって処女が塗っていいのか?)

そう思いつつも、決してそこに嫌な想いなどは一切なく…。

ふと顔を上げて周囲を見渡せば、
各々が好きなように時間を過ごすクラスメイトたちの姿が映ります。
交流のある生徒も、そうでない生徒もその大半は読書にふけっており、
片や自身は到底関係を持つことなど想像し得なかった女生徒お化粧という未知の世界を通して
さらにその関係性を深めているそんなウソのような現実がここに…。

窓の向こうは銀世界瞳に映るのは徐々に降り積もる“”ばかり。
それはまるで彼女の心の中に積み上がっていく別の何かを象徴しているようでした。

そして3時限目も終わり、生徒たちは家路につきます。

雪が降り積もった白い地面に一歩ずつ、先程の“何か”を確かめるようにしっかりと足を踏みしめ、
もこっちは自宅へと帰って来ました。

もこ「ただいま」
母 「おかえり 早かったわね」
もこ「雪で午前中授業になった」
母 「あら そうなの」

ここで注目したいのはもこっちの目線です。
自宅に帰ってからというもの、彼女は一切お母さんと目を合わせようとしません
正面で向かい合った時でさえ、彼女の目線はあさっての方向を向いています。

まるで彼女には“今はまだ聞かれたくないことがあるかのようであり、
さらにはそれをごまかすことすら嫌に感じている、そのようにも見えるのです。

そしてお母さんは言葉を続けました。
母 「じゃぁ無理して行く必要なかったわね
もこっちの答えは至ってシンプル。
もこ「うん……」
と、一言のみ…。しかし、その言葉には続きがありました。
それは気恥ずかしくて、まだ口に出すことはできない本心…。

もこ(行かなきゃよかった とも思わないけど……)

全てをごまかすように、コップへ注いだミルクを口にするもこっち。
コップを握るその指先には先程のネイルが…。

それは世界の変化を象徴するもの。彼女は新たな現実に直面し、そして受け入れたのです。
理想”はいずれ“現実”に…。

彼女にとって学校とはもはや孤独や苦痛に苛まれる場ではなく、
ついに手に入れた“気の許せる仲間
かけがえのない時間を過ごす心安らぐ空間へと相成ったのでした…!
というところで第109話が終了。

え、終わるの?”というのが正直な感想w
静かに、でも確実に積み重ねてきたものを徐々に収束させていき、
最後には主人公の明確な変化まで描き切る、と。非常に文学的で余韻が残るエピソードでした。
私が見落としている部分も多々ありそうです。

そして、前話との落差よwww
翼の生えたド変態、お前そういうとこだぞ!w(*´꒳`*)

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◆まとめ

以上がわたモテ】第11巻の感想③となります。

いつも通りバカバカしいエピソードもある一方で、
少しホロっとさせてくれるような感動的な内容が増えてきたな、
という印象のコミックスでした。
それだけ、これまでに積み重ねてきたものが大きいということでしょうね。

さて、そんな“積み重ねてきたものが収束していく”、という意味で言いますと、
続く第12巻では、今江先輩たち現3年生が原幕高校を卒業するという内容の、
『[喪115]モテないし二年目の卒業式』が収録されています。
私がかねてより触れてきた号泣エピソードとなっています。
これはじっくり読み返さないといけませんね…!(*´꒳`*)

また早いもので、第12巻『[喪122]モテないし3年生になる』では
もこっちたちが進級し、ついに高校3年生編が始まります。
ここから一気に本編に合流するキャラクターたちが多くいますので、
今から振り返るのが楽しみです!!
それでは皆さん、素晴らしいエンタメ人生を~(。・ω・)ノ゙

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