【寄生獣】完全版 第8巻<完> 感想

『寄生獣』完全版 第8巻の裏表紙 漫画
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皆さん、こんにちは!エンタメ侍です。

別サイト掲載分からの移植記事(※2015年3月の投稿記事)になります。
※別サイトの同記事は削除済み

前回に続き寄生獣】の完全版 第8巻<完>についてご紹介をさせて頂きます!

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今回も1話ずつ読み終えた段階での感想となります。
例のごとく私は今後の展開を一切知りません!(※追記:2015年時点
そしていよいよ最終巻です!!
それでは以下よりエピソード単位で感想&考察を記述します。

◆【寄生獣】完全版 第8巻 感想

▼感想&考察

◎第58話 ミギー

感想&考察

1話目からとてつもない破壊力です…!胸が苦しい…。

前回の車の衝突では「後藤」にダメージを全く与えることができませんでした。
新一たちは森の中へ逃げ込みます。
軽いパニックを起こす新一をミギーはなだめ、次の策を練り、そして、指示を出します。
そうです、いつだってミギーは冷静で、新一を導いてくれます…。

新一たちの取った作戦は新一とミギーという戦力の分断です。
まず「後藤」は新一の存在に気付かず、ミギーの方へ向かうはずであり、
その隙を新一がつきます。
また、完全版 第7巻 第53話で明らかになった“火”という弱点を利用し、
新一は“火”を付けた木の槍で「後藤」に攻撃することで瞬間的に「後藤」の体勢を崩します。
そして“ミギーが仕留める”という作戦内容でした。
これは本当に“一か八か”、ミギーは新一の体から長時間離れると死んでしまいます…。

二人はこれまで様々な修羅場をくぐってきました。
今回も新一とミギーのコンビネーションは抜群であり、タイミングもばっちりでした。
しかし…!体勢を崩した「後藤」へのミギーの攻撃は浅く入ってしまい、
「後藤」の首を切断しきることができませんでした。

ここからはもう涙が止まりません…。
新一の存在に気付いた「後藤」は、首から血をふき出しつつも新一へ攻撃をしかけます。
それを必死にくい止めるミギー…!

ミギー「はやく逃げろシンイチ!!こいつはまだパワー充分だ!!」
新一 「でも……いますぐそっちへ……!」
ミギー「くるな!!2人とも死ぬことはない!!早く行け!!」
新一 「だってミギ……」
ミギー「なにやってる!!このまぬけ!!はやく行け!!」

ミギーは常に自分の命を第一に考えている、と語ってきました。
実際そのように行動してきましたし、必然的にそれが新一を助ける結果となっていました。
しかしながら、今回は違います…。自らを盾にして他者を守る、自己犠牲』の精神です。
ミギーが散々否定し続け、理解できないと言い続けた感情です…。

ここから続くミギーの独白で、
我々は“ミギーが新一をどのように捉えていたのか”を初めて知ることになります。

(さようなら シンイチ…これで……お別れだ……)
(シンイチ……いちばんはじめにきみに出会って………)
きみの……脳を奪わなくてよかったよ……)
(おかげで友だちとして………いろいろな楽しい……思い出を……)

初期のころから新一がミギーを友だちや大切な仲間として捉えていたように、
ミギーもいつからか新一のことを『友だち』として認識していたのです…!。゚(゚ノД`゚)゚。
しかし、新一の体から長時間離れていたことで、とうとうミギーに“死”が迫ります…。

ただ、ひたすらに走り続けた新一は川へと転げ落ちました。
浮かび上がった新一を襲うのは悲しみと後悔、そして絶望でした…。

はぁ…最終巻をなめてました。まさか1話目からこんなにショッキングな内容であるとは…!
結局のところ「後藤」はまだ倒せていないわけです。しかし、今やミギーは…。
全く今後の展開が想像できませんが、これ以上事態が悪くなることはないと信じます…!

◎第59話 老婆

感想&考察

冒頭、新一はただひたすら森の中を逃げ回ります。
ミギーと過ごした日々を思い出しながら…。

そして、ある1人のおばあさんが住む民家に辿り着きました。
額に傷を負いながら、深夜に他人の家へ忍び込もうとしていた新一はどうみても怪しい人物。
しかし、ここに住む美津代という名のおばあさんは、口が少々悪いながらも
優しく新一を迎え入れてくれました。結果、新一はここで数日お世話になることに。

美津代さんは決して深く問い詰めるようなことはせず、
まるで息子や孫と接するように新一を受け入れてくれます。
過去に旦那さんを失い、1人暮らしをしていた美津代さんですが、
さよならをしようとする新一をおしゃべりで引きとめるあたり、
気丈に振る舞ってはいますが、彼女は日々の生活に寂しさを覚えていたのかもしれません。

今回のエピソードでそこはあまり焦点になっていませんでしたが、
既に母親を亡くしてしまった新一にとって、美津代さんは母性や無償の愛を
感じさせてくれる重要な存在になるのではないでしょうか?

そして、新一はある決意を固めていました。

(父さんにすべてを話そう ミギーという名の友達がいたこと
(あいつがどんなにいいヤツだったか)
(あいつの知力 勇気 何をとってもおれは到底かなわない)

あいつこそ本当のヒーローだ!!

前回のエピソードでミギーが新一を『友だち』と認識していたことが明らかになりましたが、
やはり新一も同様だったのです。。

悲しみに暮れていた新一でしたが、ある夢がきっかけで重大な事実に気が付きます!

(ミ……ミギー!!細胞が少し残ってるんだ!!)

そうなんです!!まだ、ミギーの一部は新一の右腕に残っていたのです…!

「おいっおれだよ!わかるか……!?」

しかしあくまでそれは“一部”であるため、小さな「眼」はつくれても、
考えたりしゃべれる程ではないようです。
果たしてミギーは復活することができるのでしょうか?
また、他の寄生生物を探知する能力を失った今、
後藤がいきなり美津代さんの自宅を襲撃して来ないか、非常に心配です…。

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◎第60話 覚悟

感想&考察

危惧していた通り、美津代さんが住む地域でも寄生生物による被害が発生してしまいました。
北山さんを襲ったのはおそらく「後藤」で間違いないでしょう。
住民同士の話し合いの中で、最近、周辺で起こった妙なことの一例として
“無人の車2台の激突事故”があげられていました。(※完全版 第7巻 第57話参照)
ここは前回の「後藤」との戦いの場から2、3キロも離れていない地域だった模様。

【寄生獣】完全版 第7巻 感想
前回に続き【寄生獣】の完全版 第7巻の感想となります。完全版 第7巻には第50話~第57話されており、1話読み終える毎にその初見感想をまとめていきます。

気になったのは目撃者の証言です。
大きさは3メートル以上、前足だけで4本、眼は3つ以上…。誰がどう見ても怪物です。。
しかし、「後藤」にはそのような姿で人の前に現れるメリットがありません。
仮に、たまたまそのような形状になっている所を見られたのだとしても、
あの「後藤」が目撃者を逃すはずもありません。
もしかして、現在「後藤」はミギーによって受けたダメージにより、
人の姿を保てなくなっているのではないでしょうか?
後藤の体には、自身や「三木」を含め、全部で5匹の寄生生物が潜んでいます。
つまり、それらの意思統一が困難な程に「後藤」は深手を負っているのではないか、と。

一方、新一は自分のせいでこの地域の人たちを危険にさらしてしまったと深く後悔します。
そして、新一は覚悟を決めるのです…。

「もうおれ1人逃げるわけにはいかないんです!」

美津代さんは事情を知らないながらも、優しく新一をなだめます。

「いいじゃない生きれば……逃げればいいじゃない
「自分1人でも生きるために逃げる……ちっともはずかしいことじゃないよ

その言葉はまさしく、常にミギーが新一に言い聞かせてきたものです。
しかし…、それは最早、逆効果なのです…。
なぜなら、そう訴え続けてきたミギー自身が『自己犠牲』を払い、
新一を守ってくれたのですから…。

「おれは……まだやるだけのことをやっていない!!」
「明日 大勢の人があの化け物と出会う前に おれの命を使わなきゃならないんだ!!」

美津代さんは必至で引き止めますが、
とうとう新一の決意が揺らぐことはありませんでした。。

「どんなことがあろうとも決してあきらめず臨機応変にね……」

美津代さんのその言葉に対し、新一は静かにお辞儀をしました。
そして、新一は錆びついたナタを片手に暗闇の中へと駆け出したのです…。

美津代さんが新一に向けた言葉はそのどれもが優しく
母性を感じさせてくれるものであると同時に、どこかミギーのことを連想させました。
つまり、いつからか新一にとってミギーはそのような存在だったのでは?
そう思わせてくれる素敵なエピソードとなりました!

さぁ、次回からはいよいよ最終決戦が始まりそうです!!
どうかこれ以上、新一に不幸が起きませんように…。

◎第61話 異形

感想&考察

とうとう新一と「後藤」の戦いが始まりました。先に仕掛けたのは新一です。
身体を抱きかかえ、まるで全身が硬質化しているような形態で
「後藤」は眠っており、新一はそこへ静かに近寄り首を切り落とそうとしました。
しかし、寸前で「後藤」は気配に気づき、新一を払って遠ざけました。

新一は身を潜めながら死を覚悟しましたが、
今やお互いの存在は眼で確認するしかないという事実に気が付きます。
また、新一の方が五感は優れており、身体も「後藤」より小さいため
身を隠しながら敵の位置を把握できる、と新一は理解しました。

「どんなことがあろうとも決してあきらめず臨機応変にね

美津代さんの言葉を思い出し、新一は作戦を練りました。
もう良き司令官であったミギーはいないのです。
新一は自身の知恵と力で困難を乗り越えなければなりません。
これはまるで、親から自立する子供、という図式です。

新一はこれまでの経験から、「後藤」の弱点が頭(首すじ)であると推測します。
木によじ登り、折れた枝を歯で削って尖らせ、新一は“その時”を待ちます。
新一のねらいは、上空から飛び降り、「後藤」の首すじに尖らせた枝を突き立て、
全体重をかけて胴体を貫く、ということです。
しかし、この作戦も直前で「後藤」に感ずかれ、新一は振り払われてしまいます。
そして、ついに向き合う二人。
「後藤」に殴りかかる新一でしたが、「後藤」は全く意に介していません。
逆に一発殴り返されただけで新一は森の奥のゴミ山まで吹っ飛び、
深いダメージを負ってしまいます。

しかしながら、ゴミ山の上で新一は考え続けました。
かつて「田村玲子」に告げられた「彼もか弱い仲間の1人である」という発言。
東福山市役所での戦いの後、「後藤」が告げた「次にしよう……」、
「今日は少し疲れた……」、という発言。

あの時「後藤」の背中に付いていた血の跡そして、その意味を…。

新一はある1つの仮設を立てました。かつて後藤の背中に見た、血の跡。
そここそ、ミギーが言っていたプロテクターの「すき間なのではないか?、と。
決してあきらめず、可能性を模索し続けた結果、ようやく辿り着いた1つの答え。
確信や明確な根拠があるわけではありません。
しかしゴミ山に突き刺さった鉄の棒を掴み、新一は思うのです…。

「なんだ…ほとんど可能性ゼロに近いんじゃないか!」
「……でもやらなけりゃ……確実な 0 <ゼロ> だ!!

身体能力だけでなく、新一はこれまで内面的に「人間」とは異なる、
別の“何か”へと変貌を遂げてきました。
しかし今回のエピソードでは、18歳の高校3年生という子供でもなく
大人にもなりきれない1人の青年が悩み苦しみながらも自分の力で前へ踏み出そうとする、
人間」として成長していく過程が描かれているように感じました。

改めて今回のエピソードを読み返すと、「もういい 面倒だ」等、
冒頭での新一はほとんど投げやりで、どこか子供じみた印象を受けます。
だからこそ、後半の試行錯誤の末に活路を見い出すという流れが
子供から大人への成長を連想させ、我々にカタルシスを与えてくれるのです。
これまで何度述べてきたかわかりませんが、本当に素晴らしい構成だと思います!

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◎第62話 朝

感想&考察

44ページにも渡って描かれた今回のエピソードは重厚で、かつ深く、
心が揺さぶられる内容でした…。

新一は千載一遇のチャンスにかけ、ゴミ山に刺さっていた鉄の棒を引き抜き、
「後藤」のプロテクターの「すき間」とおぼしき箇所へ突き刺しました。
さらには、「後藤」の反撃をかわし、その勢いのまま
より身体深くへと鉄の棒を足で押し込みました。

再び距離を取る新一でしたが、アバラは折れ、満身創痍の状態です。
一方、思わぬ反撃を受けた「後藤」は激昂し、森の木々をなぎ倒して新一を追いつめました。
新一はもう既に理解しています…。ここで自分は死ぬのだと…。
決して自暴自棄になったわけではなく、むしろやれるだけのことは全てやったのだと、
どこか冷静にさえなっています。

刃を構える後藤。眼を閉じ、じっとその瞬間を待つ新一…。
そして、奇跡は起こるのです…!!

新一の意思とは無関係に上げられた右腕と「後藤」の刃がかち合い、
“バチバチ”と閃光が走ります!
次の瞬間、「後藤」の体から一本の腕が千切れ、新一の右腕へと移っていきます・・・!

「ミ……ミギー……!?」
やあ……」


ミギー is back!!
まさかのミギー復活です!!!ヽ(●゚´Д`゚●)ノ゚。
ミギーの身体はただの肉片として「後藤」の身体へと取り込まれていたのです。

私は第58話を読んだ後に改めて本巻の表紙を見て、
てっきり今後も新一はずっと右腕の無い状態なのだと思っていたので、
今回のミギー復活劇には驚きを隠せませんでした。

うまく、右腕が見えるか見えないかの位置で区切られており、
読み進めている話数によってどちらとも取れる構図となっていたわけです!
いやいや、本当に今回の表紙は憎い演出をしてくれましたね…!(笑)

「後藤」はというとミギーによって移動の際に重要器官をいくつか引きちぎられ、
重傷を負っています。
さらに「後藤」以外の寄生生物たちがある“危機”を察知して統制から逃れようと
思い思いに動き出し「統率者」である「後藤」との壮絶な細胞の綱引きが始まっていました。
そもそもミギーが動けるようになったのも、この“危機”のおかげでしょう。

では、そのある“危機”とは一体何なのか?
それこそ、まさしく新一の反撃が生み出した奇跡。です…!
例の鉄の棒は、人間の不法投棄によってできたゴミ山に刺さっていたもの。
どうやらゴミの焼却過程で発生していた有機塩素化合物か何かが含まれていたとのこと。

「要するに……人間サマにゃかなわんてことさ」

後にミギーが発した言葉は我々読者の心にも深く突き刺さります…。

そして、いよいよ決着の時です…。
怒り狂った後藤は新一の方へと一直線に飛び込んできました。
しかし、「後藤」の身体は細胞の綱引きによって全身が張りつめた状態であり、
ミギーの一太刀によって、次の瞬間その身体が弾け飛んだのです…!

ただし、「後藤」もこれだけでは終わりません。
破裂によって毒物も体外へと放出されており、飛び散った肉片が少しずつ集まり
修復し始めていました。復活の可能性は五分五分とのこと。

…ならば仕留めよう、と提案する新一に対し、一呼吸置いてミギーが答えます。

「やめた」
「わたしにとってみればこいつは同種で……しかも一時は同じ肉体を共有した『仲間』だ」
きみにまかせるよ

全てを委ねられた新一は改めて考えます。

(誰が決める?人間と……それ以外の生命の目方を誰が決めてくれるんだ?)
(人間に害があるからってその生物には生きる権利がないっていうのか
(地球全体にしてみればむしろ…)

寄生生物たちと人間は別の生き物であり、人間の都合ばかりを押しつけることはできない…。
新一はミギーにそう告げ、「後藤」に背を向けました。
それは人間のためではなく、地球のために…。

ミギーはそのことを察してか、新一に語り掛けます。

「シンイチ……きみは地球を美しいと思うかい?」
「わたしは恥ずかしげもなく『地球のために』という人間がきらいだ……」
「なぜなら地球ははじめから泣きも笑いもしないからな」

新一は歩みを止め、もう一度「後藤」の方へと向き直します。

(おれはちっぽけな……1匹の人間だ せいぜい小さな家族を守る程度の……)

「……ごめんよ きみは悪くなんかない……でも……ごめんよ……」

新一は涙を流しながら、ナタを振り下ろしたのです…。

まさか、「後藤」との決着がこのようなカタチでつくとは…!
最後の瞬間、新一は認めています。
この行為に大それた大義名分があるわけではなく、根本にあるものは自身のエゴであり、
お前に罪は無いんだ、と…。

また、ミギーも前の発言の通り『仲間』を殺されたくはなかったはずです。
それでも新一へ“お前自身は本当にそれで良いのか?”と間接的に問いかけてくれたのです…!

なんて素晴らしい相棒なんでしょう…!!。゚(゚ノД`゚)゚。
第58話で、新一を守るためにみせてくれた自己犠牲』の精神もそうです。
そして、我々読者はもう既に知っているわけです。
ミギーは新一を『友だち』として認識していることを…!

「おれはなぁ!おまえが死んだと思って……それがどんなに悲しかったか……!」
あ そう
「『あ そう』って……」

このようないつものやり取りも今までとは違った視点で微笑ましく捉えることができますね!
“ミギーよ、そうは言いつつもお前新一のこと大好きなんだろ?”ってな具合に…!(笑)

何はともあれ、「後藤」戦の決着です!
ラスト2話でこの『寄生獣』という作品が一体どのように終結するのか?
最後の最後まで存分に楽しませて頂きます!!

◎第63話 日常の中へ

感想&考察

もうすぐ終わってしまうんだ、そう強く感じさせられるエピソードでした。。

冒頭で、ミギーは新一の夢の中に再び現れ、別れを告げます。

「つまり『眠り』につこうと思う 何年 何十年……ひょっとしたら死ぬまでだ……」
「いきなり膨大な情報を得たうえ 別々の思索を同時にできるようにもなった…」
「しばらく情報をシャットアウトして ここにある材料だけでやってみたくなったんだ…」
「だから外面の活動を停止する」

「後藤」の一部として吸収されていたことで、ミギーの内部構造がまた変化したようです。

「シンイチ……わたしのことは1つの『夢』だったと思ってほしい」
「……だから最後に夢の中で別れを言いにきた」

もちろん、新一はミギーを引き止めます。

「何言ってんだ!夢なんかじゃない!!おまえといっしょに暮らした毎日は……」
「いっしょに助けあった毎日は夢なんかじゃない!!」

しかし、ミギーの意思は変わりません。そして…。

「……きっと忘れることができる いいかい?朝そこにあるのはただのきみの右手だ……」
「それが本来の姿なんだよ」

いままでありがとう……シンイチ」

うわぁあ~!!。゚(゚ノД`゚)゚。
ミギーがこんな感情的なセリフを言うようになるなんて、
新一の右腕に寄生した当初からは到底信じられない事実です。。
やはり、新一だけでなく、ミギーも内面的に変化してきていたんですよね…!
1人と1匹。これまで互いに協力し合いながら様々な困難に立ち向かい、乗り越えてきました。
そして、そんな奇妙な共同関係は夢の中で静かに幕を閉じました…。

1年後。村野さんは大学1年生。
新一はというと、どうやら受験に失敗し、浪人生になっていました。
村野さんに受験に関していじられているあたり、
2人は今も仲の良い関係であるようで、非常に安心しました。
また、宇田さんは今も「ジョー」と仲良く(?)暮らしているようですね!

そして今改めて、“新一が人間や寄生生物などのその他の生き物たちをどう捉えているのか”
が明示されました。
ミギーと協力し合って切り抜けてきた様々な戦い。
それらは、決して地球や人間のために戦っていたのではなく、
あくまで個人のために戦っていたのだと。
違う生き物どうしでわかり合うことは無理であり、
他の生き物の気持ちを分かった気になるのは人間のうぬぼれであるということ。
しかし、得体は知れなくとも尊敬すべき同居人には違いないということ。

(他の生き物を守るのは 人間自身がさびしいからだ)
(環境を守るのは 人間自身が滅びたくないから)
(人間の心には人間個人への満足があるだけなんだ)
(でもそれでいいし それがすべてだと思う)
(人間の物差しを使って人間自身を蔑んでみたって意味がない)

人間自身を愛さずに地球を愛するなんて結局矛盾してるんだよ

この言葉はシンプルでいて、かつ、本質をついた痛烈な提示として頭に残りました。
一体どれほどの人間がこの言葉に反した行動を取ってしまっているのか…。
私自身、深く見直さなければなりません。
一歩間違うと、説教じみた内容になってしまうテーマですが、
ここまで63話をかけて丁寧に描いてきた物語が背景にあるからこそ、
新一の言葉は強く心に響きました。

そんな中、最後にきて、あの浦上が再登場しました!
いつかまた出て来るんだろうとは思っていましたが、
まさか人間である彼が最後の敵として登場することになるとは…!
浦上からすると、寄生生物が混じった新一は目立っており、簡単に探知できるようです。
まだ新一と他の寄生生物とを見分けられるのかは判明していませんが、
やはり彼は加奈さん以上の能力者だったのかもしれません。
当然、新一は浦上の存在に気付いていません。

果たしてどうなるのか!?といったところでラスト1話です!!
今回のエピソードは浦上が出て来なければ最終話であっても不思議ではありませんでした。
逆にあと1話あるからには、何かしらのメッセージが残されているのでしょう。
私は岩明先生に全幅の信頼を置いています!
新一たちの最後の物語、心して読ませて頂きます。さぁ、いよいよ最終話です!!

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◎最終話 きみ

感想&考察

最終話の扉絵として2ページに渡って描かれたのは、地面に根差したある1本の木でした。
“生命 <いのち> はこの木に……”、泉 新一」が「泉 新一」である証明
終幕を迎えた彼の物語は、ここへと回帰するのです…。

前回のエピソードから引き続き、新一と村野さんは2人仲良く並んで街を歩いていました。
そんな2人に忍び寄るのは、大量殺人犯の浦上です。
浦上は2人を分断した後、村野さんを人質に取りました。
村野さんの首にナイフを突きつけたまま、浦上はとあるビルの屋上まで新一を誘導します。

浦上は人を殺めることに決して躊躇などしません。
屋上にいた会社員の男女2人の首をナイフで切り裂き、一瞬の内に黙らせました。
遅れて辿り着いた新一は死体を確認し、事態の深刻さを痛感します。
では、浦上の目的とは一体何なのか?

浦上「人間とは違う答えを聞きてえと思ってよ」

新一の表情が一気にこわばります。浦上は語りました。
人間とはもともと血に飢えており、お互いを殺したがっている生き物である。
つまり、自分こそが人間なのだ、と。

浦上「とぼけんなよコラ おめえが純粋な人間じゃねえってことは知ってたんだぜ……」

浦上は、初めて新一と目を合わせた時、既にその事実に気づいていたのです。
しかし、新一は今、この場でそれを認めるわけにはいきません。
知られてはいけないのです。彼女にだけは…。

浦上「答えろ!おれこそが正常な人間だな!?ただ本能に従っているだけのことだ!」

今回の浦上の行動は、決して新一を困らせることが目的ではありません。
彼は本心から“答え”を求めています。自分は間違っていなかったと認めて欲しいのです。
彼はずっと孤独だったのではないでしょうか?
誰からも認められず、世界からはじき出された存在。
彼もまた、救いを求める1匹のちっぽけな人間に過ぎなかったのかもしれません…。

浦上「せめて人間と寄生生物 <バケモン> の中間の立場からひとつたのむワ」

村野さんを見つめる新一。これまで、彼女が新一を見限ることは決してありませんでした。
どれだけ新一の言動が変化しようと…。どれだけ悲惨な事件に巻き込まれようと…。
必ず彼の後を優しくついて来てくれたのです。
でも、今度は違うかもしれない。もう受け入れてもらえないかもしれない。
それでも…、そうだとしても!彼女を失うわけにはいかないのです…!

新一に残された選択肢は1つしかありませんでした。

新一「人間と……寄生生物の中間か……前にも誰かが似たようなセリフをおれに……」
新一「ああそうだよ!!あんたの言うとおり おれは……」
村野「泉くん!!」

“大丈夫、それ以上話す必要はないんだよ。”、“きみは「泉 新一」くんなんだよ。”、
まるでそう訴えかけるかのように、涙を流しながらも新一に優しく微笑みかける村野さん…。

村野「警察……呼んできてよ こんなヤツにつきあってる必要はない」

浦上は笑いながら新一へ告げます。

浦上「わかったもういいや あんちゃん警察呼んできなよ」
浦上「待ってる間この玩具を分解して遊ぶことにする」

浦上は村野さんの首すじへとナイフ構えました。

しかしこのような状況であっても、いや、このような状況だからこそ、
村野さんは決して臆することなく新一へ想いを打ち明けます…。

村野「しっ新一くん!あたし……いつだって きみのいる場所へ行こうとしていたんだよ」
村野「でもきみは脚が速いからどんどん知らない世界へ……」
村野「追いてきぼりはあたしの方だった……でも いまやっと追いついて……」
村野「な なんだか……ちょっと追い抜いちゃったみたい……」

村野さんの首すじを垂れる彼女の血液…。

新一「やめろオ!!」

飛び込んでくる新一に対し、浦上は片手で村野さんを屋上から突き飛ばします。

新一(左でナイフをはねあげそのままアゴを砕く!同時に右で彼女を!)
新一(左で…あれ?)

新一は左腕にナイフを刺しこまれ、一瞬反応が遅れてしまいます

新一「うらア!!」
ナイフが刺さったままの左腕で浦上のアゴを砕く新一。
新一(で右! え……)
空を掴む新一の右手…。村野さんの体は遥か下へ…。
新一「うわああああっ!!」

涙を流し、その場にうずくまる新一。そして、そこへ差し込まれるものは…。

“ある日 道で……道で出会って知り合いになった生き物が ふと見ると死んでいた”
“そんな時 なんで悲しくなるのだろう そりゃ人間がそれだけヒマな動物だからさ”

ミギー「だがな それこそが人間の最大の取り柄なんだ
ミギー「心に余裕 <ヒマ> がある生物 なんとすばらしい!!

ミギー「だからなぁ……いつまでもメソメソしてるんじゃない 疲れるから自分で持ちな

気づけば、新一の右腕はしっかりと村野さんの腕を掴んでいたのです…!

新一(間に合った!? ミ……ミギー……!!

ミギィ~~~!!!ヽ(●゚´Д`゚●)ノ゚。 お前ってやつは…、お前ってやつは…!!(号泣)
“ここぞ”という時に、何て頼りになる相棒なんでしょう!
また、ミギーはこれまで
“人間がいかに残忍で自分勝手な生き物であるか”ということを明言してきました。
そのミギーが、人間の“取り柄”を語ってくれているのです!
さらには“すばらしい”とさえ評価してくれているのです!
もうそれだけで感動じゃないですかぁ~!!。゚゚(PД`q゚*)゚。

そして、村野さんを引き上げ、そのまま仰向けに倒れ込む新一。
上空にはきれいな空が広がっています。

新一「きみはいつかの……死んだ子イヌのこと覚えている? おれがゴミ箱に捨てて……」
新一「ずっと言うのを忘れてたけど……」
新一「あのあと少し考えてから樹の根元へ……埋めなおしたんだ

村野「知ってるよ……それは新一くん………きみが新一くんだから………」

これまで、村野さんは新一に何度も尋ねてきました。
“きみ……泉 新一くん……だよね?”
そして今、もう彼女は尋ねる必要がなくなったのです。
容姿や身体能力が変化しようと、決して変わらないもの。
ありのままの「泉 新一」を彼女は理解し、そして受け入れたのです。

寄りそって抱き合う新一と村野さん。
そして、そんな2人を支えるように村野さんの腰に添えられた新一の右手のアップ。

“何かに寄りそい……やがて生命 <いのち> が終わるまで……”

寄生獣】、これにて堂々の完結です!!

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▼まとめ

以上が寄生獣】完全版 第8巻<完>の感想となります。
ついに読み終えてしまいました…!1話1話をじっくり読み込み本当に楽しませて頂きました。
なんて幸せな時間だったのでしょう。。。
おそらく、これからの人生で何度も読み返すことになるのは間違いありません。
深いテーマ・魅力的なキャラクターたち・飽きさせないストーリー展開。
そのどれもが一級品でした!
以前も述べましたが、この時代にこれ程有名な作品を全くネタバレにあうことなく、
最後まで読み終えることができたのは
奇跡としか言いようがありません。

寄生獣という素晴らしい作品をこの世に生み出して下さり、
岩明先生には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます!

アニメ版寄生獣 セイの格率の方もいよいよ終盤です。(※追記:2015年に放送終了
こちらも最後まで追い続けたいと思います!
まだ【寄生獣】の世界にふれていないという方々!誰が何と言おうと、おススメです!!
ぜひ御一読ください!
それでは皆さん、素晴らしいエンタメ人生を~(。・ω・)ノ゙

【寄生獣】完全版 第7巻 感想
前回に続き【寄生獣】の完全版 第7巻の感想となります。完全版 第7巻には第50話~第57話されており、1話読み終える毎にその初見感想をまとめていきます。
【寄生獣 セイの格率】サウンドトラック感想
今回はアニメ【寄生獣 セイの格率】のオリジナルサウンドトラックについてご紹介をさせて頂きます!このサウンドトラックには、全部で19曲が収録されています。それでは、1曲ずつ簡単な感想を記述していきます。

コメント

  1. ナイスレビュー!

    • コメントありがとうございます!励みになります!(*´꒳`*)

  2. よく一話毎に読むの中断できましたね!?
    すごい精神力だと感心しました。
    実家に全巻置いてあります。何年か毎に読み返しては以前と違う感じ方をして驚いています。
    このレビューで久しぶりに読み返した気分になり、涙腺と喉をかなり酷使してしまいました…
    何度も読み返してるだけあり、レビュー読むだけで紙面が浮かんできちゃうんですよ。
    僕では気付けなかった点などもあり、楽しめました!
    オナニーの描写で息子に薦めにくいですが、高校生になったら読ませようと思ってます。
    僕が寄生獣に出会ったのも高校生ですしね!
    寄生獣以降たくさん漫画が出て、面白い漫画もどんどん出てきてますが…
    それでも1番好きな漫画は?と聞かれれば、迷わず「寄生獣」と答えます。
    やったのか!!新一!!

    • コメントありがとうございます!
      比較的“歴が浅い”と自負している私ですが、その初見感想も今や約9年前のものなので
      自分で読み返していても懐かしく、また同時に文章の拙さが恥ずかしい限り…!w
      ただ、初見ながらも直観させられた物語の厚みやこの先に待つだろうバイオレンスな展開に
      まさしく心惹かれ、これはもう“まるで本作の連載をリアルタイムで追っているように”
      1話毎に思いの丈を綴っていくべきだろうと。
      そうして紡がれた、いわば自身の“感情の足跡”は、少なくとも私にとって
      “価値あるもの”になるに違いないと、そう考えた次第です。
      そしてその判断は正しかったと、今でも胸を張って断言できます!(*´꒳`*)

      未だ多くの作家や作品に多大なる影響を与え続けている本作ですから、
      それこそ多感な時期に触れることで得られる“大切な何か”というものがきっとあるはず!
      取っ付き易さからひとまずはアニメ版を軽く1話薦めてみるのもありかもしれませんね。
      ご子息が高校へ進学された暁にはぜひ今一度、
      そして今度は親子二代で、不朽の名作【寄生獣】を存分に味わって下さいね!