皆さん、こんにちは!エンタメ侍です。
前回に続き【私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!】(以下、【わたモテ】)
の第13巻の感想記事になります!
以下より第129話の感想&考察を記述していきます。
目次
◆【私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!】第13巻 感想④
▼感想&考察
◎[喪129]モテないし教えてあげる
感想&考察
前回の『[喪128]モテないし回る』において、
小陽ちゃんはついに茜ちゃん(あーちゃん)の逆鱗に触れてしまい、
彼女からキツい一言をもらった直後、逃げるようにしてその場を走り去っていました。
そして、現在。
小陽ちゃんは涙を浮かべながら、パーク内を一人寂しく歩いているのでした…。
すると、小陽ちゃんに声を掛けるグループが現れます。
女子1「あっ小陽ちゃん!」
女子2「何してんの 一人で?」
女子1「3-5の人と一緒に回るって言ってなかった?」
南 「あっ…」
彼女らは小陽ちゃんにとって本来の友人たちであり、
第12巻『[喪122]モテないし3年生になる』でのクラス替えで
小陽ちゃんは彼女たちと離れ離れになっていました。
(※それぞれ、サチ・ノリ・マキの誰なのか判別不能…w)
女子1「もしかして一人なの うちらと回る?ついて来てもいいよ」
南 「はぁそんなわけないじゃん!!はぐれただけだよ 今 連絡取ったし!!」
女子2「ファストパス切れるよ」
女子1「あっそうだ じゃあねー」
南 「あっうん じゃあね!」
この場面ですが、第13巻『[喪125]モテないし遠足がはじまる』にて
吉田さんがもこっちたちのグループに合流した場面と
状況としては非常によく似ていると思いませんか?
(※第13巻『[喪125]モテないし遠足がはじまる』参照)
そちらでは、一人寂しげに佇む吉田さんを見つけるや否や、
ゆりちゃんは駆け寄り心から心配している様子でした。
吉田さんに関してももこっちたちを確認した直後、自らこのグループに加わることを宣言。
そのまま和気あいあいと彼女は新たな仲間たちと一緒に今も遠足を楽しんでいます。
一方、今回のこの状況。
小陽ちゃんに声を掛けた彼女たちは状況を尋ねるものの、
どうにも小陽ちゃんを本当に気遣っているようには見えません。
“ついて来てもいいよ”という表現など、
彼女たちが培ってきた浅い関係性を物語っているようにさえ感じます。
小陽ちゃん自身に関してもプライドや羞恥心が邪魔をして素直になることができず、
結局彼女たちと別れて再び一人ぼっちになってしまいました…。
“仲違いの末の一人ぼっち”という同じような状況から始まった吉田さんが、
何とも幸せそうに新たな仲間たちと素敵な時間を過ごす描写があった直後だからこそ、
小陽ちゃんを取り巻く人間関係がより上辺だけのものであるように見えてしまう、
そのような構成になっています。
さて、その一部始終を少し離れた位置から見つめていたのが、
ゆりちゃん・まこっち・うっちーの三人。
中でもまこっちは小陽ちゃんの現状を察し、心を痛めていました…。
すると、そんな親友の様子を側で見つめていたゆりちゃんから一言。
ゆり「行けば?」
まこ「え!?」
ゆり「行きたいんでしょ 行けばいいよ」
まこ「…ゆりも」
ゆり「私は行かない」
まこ「…………」
ゆりちゃんからの思わぬ提案にまこっちは驚いてしまいます。
それも当然のことであり、第12巻『[喪120]モテないし打ち上げる』で描かれていた通り、
ゆりちゃんと小陽ちゃんの間には未だに大きな隔たりがあります。
(※第12巻『[喪120]モテないし打ち上げる』参照)
しかもそのエピソードでは、あくまでも“いつもの4人”でいることに固執していた彼女。
そんな彼女からの先の発言…。
ここで、上記感想より一部抜粋。
しかし、小陽ちゃんの側から考えた場合、
必ずしも間違ったことを言っている訳ではありません。
小陽ちゃんにとって、まこっちは自分たちと行動を共にするべき仲間であり、
ゆりちゃんと一緒に行動することを選択した当時のまこっちの判断は、
小陽ちゃんからすれば“裏切り”行為なのです。立場が違えば、見える世界は異なります。
問題はそれを理解し、敬意を持って相手と接することができるかどうか。
今回ゆりちゃんがした選択はまさしく相手の立場に立った上での判断によるもの。
その立場とは心を痛める親友の立場でもあり、同時に、
このまま一人寂しく遠足を終えようとしている小陽ちゃんの立場でもあります。
自身は“行かない”辺り、本当の意味で小陽ちゃんと和解した訳ではないものの、
ここでまこっちの背中を押し出すことができたというのは
ゆりちゃんにとって1つの成長と言えるでしょう。
うち「…いいの?」
ゆり「……私は仲良くないから」
まこっちを見送るゆりちゃんとうっちーの二人。
小陽ちゃんとは特に深い関係もなくここまでずっと沈黙を守っていたうっちーですが、
もともと人を思いやる優しい心根を持つ彼女のこと。
この状況に何かしら思うところもあるのでしょう…。
すると、今度はそのうっちーを呼び止める声が…!
宮崎「うっちー!!」
振り向けば、そこにいたのは“雌猫の間グループ”の面々。
宮崎「あれ? 例のあの人って…」
かよ「田村さん?」
うち「あ 違くて… 今 ちょっと……」
第13巻『[喪128]モテないし回る』にて、
“一人でいる例のあの人<もこっち>がかわいそうだから少し一緒に回ってあげる”
とケータイでメンバーに嘘報告をして何とかごまかし、
そのまま“至福のひととき”を満喫していたうっちー。
しかし、そろそろごまかすのも限界というところ。
当然他のメンバーも違和感を覚えますが、
今彼女らにとって何よりも重要なことはこうして“大切な仲間”と再会できたということ…!
雌猫(眼鏡) 「なんでもいいよ いっしょに回ろう」
雌猫(眼鏡) 「ナツは彼氏と回ってるし うっちー一緒じゃないとつまんないよ」
宮崎 「もう用事は済んだでしょ?」
うち 「あっうん えーと……」
雌猫(三つ編み)「田村さんも来る? そしたら6人じゃん」
ここで特に何の迷いもなく、“グループ外の存在”であるゆりちゃんにも気を配り
誘うことができるという点がこのグループの器の大きさを表しています。
先程の、本来のメンバーである小陽ちゃんにすら
“ついて来てもいいよ”と少し素っ気なく告げていた彼女らのグループとは大違いです。
一方、優しく誘われた側のゆりちゃんですが、彼女の答えは決まっています。
ゆり「私は待たせてる人がいるから」
そう言いながらゆりちゃんは皆と一緒に購入した“うさ耳のカチューシャ”をそっと外しました。
ここも何気ない描写でありながら、彼女の内面をよく表している部分だと思います。
第13巻『[喪127]モテないしのる』にてもこっちという心許せる大切な友人の後押しにより、
普段の姿からは到底想像できない程にはしゃいでみせたゆりちゃん。
(※第13巻『[喪127]モテないしのる』参照)
しかし、それは何もあの一場面に限った話ではなかったように感じます。
思い返せばネモから耳をつけようかと提案された時、
ゆりちゃんだけは「私いい」とはっきり断っていました。
それが普段の彼女の姿であり、恥ずかしがり屋な彼女からすれば当然の返答でした。
ですが、第13巻『[喪126]モテないしあだ名で呼ばれる』にて
吉田さんから一声もらうや否や、ゆりちゃんは即購入を決断。
(※第13巻『[喪126]モテないしあだ名で呼ばれる』参照)
今では特に気にした様子もなく、当たり前のように耳をつけて園内をかっ歩しています。
“夢の国”で気の許せる仲間たちとかけがえのない時間を過ごす内、
いつしか心浮かれ、実は彼女なりにずっとはしゃいでいたという訳です。
今の彼女にとって“うさ耳のカチューシャ”とは、
大切な友人たちと一緒になってはしゃぐ“無邪気な自分”を象徴するアイテムなのです。
そのような背景の中、うっちーたちのグループに誘われたことでふと我に返ったゆりちゃん。
彼女が“無邪気な自分”をさらけ出せるのはまだあくまで“いつもの4人”の前のみでの話。
ゆりちゃんが“うさ耳のカチューシャ”をそっと外したその行動の裏には、
“今の自分”がいるべき場所はここではないという、
決意表明にも近い思考が働いていたのではないかと思う次第です。
雌猫(眼鏡)「じゃあねー」
こうしてうっちーは本来のグループへと戻り、ゆりちゃんは彼女ら一行と別れたのでした。
注目したいのは、ここでゆりちゃんは
“うさ耳のカチューシャ”をまるで隠すように後ろ側へと引っ込めている点です。
それこそ、先に述べたゆりちゃんのここでの心情がよく表れた描写だと強く感じます。
読み解けば読み解く程にこういった“仕掛け”の数々が顔を出し、
改めてその丁寧な構成や表現方法に驚かされます。
そして次にもこっちたちの前にゆりちゃんが現れた時、
彼女はしっかり耳を付け直しているという点も見逃してはいけません。
ゆり「ふーー… 戻ろ……」
おそらく自分の中でもまだ整理がついていないのであろう、
子供のようにはしゃいでしまう“無邪気な自分”の姿。
そんな新しい自分になれる場所へと彼女は再び歩みを進めるのでした…。
ゆり(増えてる……)
皆のもとへと戻って来たゆりちゃんでしたが、
なぜか合流している茜ちゃん(あーちゃん)と加藤さんという二人の存在に目が行きます。
第13巻『[喪128]モテないし回る』にて加藤さんは仲違いした状態のネモと茜ちゃんを気遣い、
自ら行動に出てこのグループへの合流を志願。
こうして、また思いもよらぬ組み合わせのグループが結成される運びとなりました。
吉田「あの二人はどうした?」
ゆり「他の人と回るって」
吉田「あのさっぱりした奴はともかく 田中もか?」
ゆり「うん…」
吉田「……そうか じゃあ6人だな」
“さっぱりした奴”改めうっちー、さらにはまこっちとも別れたことをゆりちゃんが報告し、
新たなメンバー構成となったこのグループはようやく行動を再開することに。
この状況に対して何とも感慨深いものを感じていた人物が“元ぼっち”のもこっちでした…。
もこ(まさかこいつらと遊園地回ることになるとは)
もこ(1年の時を考えると思いもよらなかったな…)
1年生当時のもこっちにとってネモと茜ちゃんの二人とは、
常にクラスの中心にいるまさにリア充を代表するような存在でした。
第4巻『特別編2』で描かれた終業式終わりのクリスマス会では、
待ち合わせ場所で親し気に会話するネモと茜ちゃんの二人を見つけ、
すぐさま身を潜めて遠くから様子を窺うもこっちの姿が描かれていました。
(※第4巻『特別編2』参照)
リア充な二人と一切関係性を築けないということ自体が、
クラスの輪に溶け込めない当時のもこっちの状況を示していたともいえます…。
しかし、今や彼女を取り巻く環境は一変しています。
もこ(しかしネモと凸はなんでケンカしてんだ? キバコもケンカしてたし)
もこ(絵文字もガチ●ズさんもいなくなったし やっぱ女のグループは面倒なのか?)
実は何かとその面倒事の起点になっているのが自分自身であるという事実に、
“元ぼっち”の少女は気づけぬまま…。
そして一行は通り過ぎる蒸気船を見つけ、しばし上から眺めることに。
ネモ「クロあれ見て!なんかいる」
加藤「二人ともいつの間そんな仲良くなったの?」
もこ「い…いや 別にそんなには」
ネモ「ネモって呼んでたんだよね」
もこっちの返答を遮るように割って入るネモ。
“仲が良い”ということは決して否定させないところに彼女の強い意志を感じます。
第13巻『[喪126]モテないしあだ名で呼ばれる』においてついに本心をさらけ出し、
向き合うようになったもこっちとネモ。
上記の感想でも述べた通り、この二人の関係性とは現時点でのこの作品における、
『物語の変遷と変革の狭間に蓄積した軌跡の集大成』
まさにそれを象徴するもの。
読者にとってもそうであるように長らく胸の奥に抱え込んでいた葛藤を乗り越え、
ようやくここへと辿り着いたネモにとっては“かけがえのないつながり”なのです…!
(※第13巻『[喪126]モテないしあだ名で呼ばれる』参照)
晴れやかな表情で新たな“関係性”を喜ぶネモとは打って変わり、
そんな彼女を遠くから見つめることしかできず、ずっと胸を痛めていたのが茜ちゃんでした…。
茜 「ちっ」
吉田「お前 根元とケンカしてんのか?」
そして、この状況で茜ちゃんへと優しく語り掛けた人物がまさかの吉田さん…!
茜 「あんたには関係ないでしょ」
吉田「あるよ 私も一緒だ」
茜 「え!?」
ここまでのネモと茜ちゃんが交わす刺々しいやり取りから、
吉田さんは何となくその状況を察していました。
彼女自身も、本来の友人たちと“仲違い”した末にこのグループへ辿り着いた存在。
(※第13巻『[喪127]モテないしのる』参照)
その上で同じ様な境遇であろう茜ちゃんに対し、今ここで吉田さんが語ることとは…。
吉田「私も友達とケンカして別れてアイツらと一緒になったんだ」
吉田「あいつらといるのが楽しかったから忘れてたが…」
茜 「あんたが悪いの?」
吉田「いや私は悪くねぇよ だからこそこっちから折れてやんなきゃダメなんだ……」
ここで振り返りたいのは第8巻『[喪74]モテないし班行動する』での一幕。
修学旅行の地で初めて巡り会ったもこっち・ゆりちゃん・吉田さんの三名。
まだ互いのことなどよく知らぬ間柄の中、
二日目の朝に起こったもこっちによる吉田さんの『乳首つまみ事件』…!w
(※第8巻『[喪74]モテないし班行動する』参照)
事件の内容はともかく、朝から二人は険悪なムードに…。
その後、三人で一緒に班行動を取る過程で問題児に挟まれたゆりちゃんは、
いつしか二人の間を取り持つようになります。
以下、上記感想より一部抜粋。
ゆり「何されたか知らないけど謝ったら? はたいたんだし…」
吉田「はぁ?なんで私が頭下げんだよ 明らかにあいつが悪いのに!」
ゆり「何したの?」
吉田「…うるせぇな 関係ねぇだろ」興味深いのは、今回のエピソードにおけるゆりちゃんの立ち位置。
もこっちと吉田さんの間を取り持つという表面上の意味合いだけではなく、
実は、自身とまこっちで仲違いしている現状を彼女が俯瞰的に捉え、
自分自身にも冷静にアドバイスしている、という構図になっているんです。
既に皆さんもお気づきの通り、当時ゆりちゃんの置かれていた立ち位置が、
今回は吉田さんの立ち位置に置き換わって機能しているんです…!
それを踏まえることで見えてくるものとは、“吉田さんの成長”です。
怒りの沸点が低くついつい手が出てしまう点などは依然変わらぬものの、
今回彼女はたとえ自分に非がなかろうとこちらから折れてやるべきなんだと語りました。
当時と現在のセリフを並べて比較すると、その違いは一目瞭然。
・第8巻『[喪74]モテないし班行動する』
吉田「はぁ?なんで私が頭下げんだよ 明らかにあいつが悪いのに!」
・第13巻『[喪129]モテないし教えてあげる』(※今回のエピソード)
吉田「いや私は悪くねぇよ だからこそこっちから折れてやんなきゃダメなんだ……」
今回彼女が語った内容は当時の自身の考えと真逆の結論であり、
いわばゆりちゃんから受けた助言を約数ヶ月の時を経て吉田さんが受け入れ、
人として成長した証なのです。
そして特に詳しく言及するまでもなく、吉田さんは茜ちゃんへ助言する傍ら、
実は自分自身へもアドバイスしているという構図も当時と同じです。
“雪解けの時”は目前まで迫っていました…。
吉田さんが語る内容に対し、とても他人事とは思えない茜ちゃん。
いつの間にか彼女は聞き入っていました。
そうなると、気になってくるのがケンカの“原因”。
茜 「…………何があったの?」
問いかけられ、まるで遠い日の記憶を辿り懐かしむように、
吉田さんは微笑みながら答えました…。
吉田「友達がなネズミーキャラの悪口言ったからぶん殴ったんだ」
吉田「そしたらちょっとそいつとケンカになってな……」
茜 「いや……完全にあんたが悪いし そんなくそくだらないのと一緒にしないでよ」
さぁ、ということで始まった岡田 茜の緊急実験企画!
『ヤンキーに正論ぶつけてみた♪』
どうなるかって~??
修羅場の幕開けだよ~♪www\(^o^)/
吉田「くだらねーってなんだコラ!!」
茜 「うっさい!ちょっと真面目に聞いちゃったじゃん!!時間返せ!!」
茜 「くだらないことマジなトーンで語ってんじゃないよ!!」
吉田「んだコラーー!!」
加藤「ちょっとちょっと」
ブチ切れヤンキー降臨の巻…!!w
ぐうの音も出ないド正論をぶつけられ、吉田さんは激昂…!
茜ちゃんが着ているシャツの襟に掴みかかり、キャンキャン吠えまくります!w
吉田さん、ついさっき君が“成長した”って考察したところなんですけど…?w(o^-^o)
加藤「何やってんの これ以上揉めないでよ」
茜 「私は悪くないって」
そう言いながらここで茜ちゃんは身なりを一度整えるため、
シュシュを取り、縛っていた髪の毛を振りほどきます。
“今読み返せば”という話になりますが、先の展開を踏まえると
茜ちゃんの取ったこの行動は彼女の心情を反映した描写でもあったように感じます。
彼女にとって本来何よりも大切な親友であるネモとの“つながり”。
それなのにもかかわらずいつしか二人はすれ違い、
言葉を交わすこともなくなり、関係性は悪くなる一方…。
その結果彼女は荒れてしまい、小陽ちゃんや吉田さんなどの周囲の人間に噛みつき、
さらなる問題を巻き起こす事態に…。
そこでふと気づけば乱れていた彼女の身なり。
それはまるで彼女の荒れた心そのものを象徴しているようにも感じられ、
それこそ“シュシュを取り、縛っていた髪の毛を振りほどく”という行動には、
複雑に絡み合ってしまった感情を一度取っ払い、
改めて冷静に現状を見つめ直そうとする彼女の心の葛藤が垣間見えるのです。
つまりこれより先に描かれる『岡田 茜』とは、
大切な親友との不仲を嘆き・苦しみ・救いを求める、
純粋無垢な一人の少女の“ありのままの姿”であるということ。
そしてそんな彼女のむき出しの感情を一身に受ける相手とはもちろん、
我らが“元ぼっち”『黒木 智子』。
原幕高校入学から月日は流れ、季節は三度目の春。
数々の変革を迎えてなお、決して深く交わることのなかった二人の世界は、
紆余曲折の果てに訪れた“夢の国”でようやく交わることになるのです…。
(※第5巻『[喪39]モテないし自己紹介する』参照)
さて、続いて一行が訪れたのは、
おそらくディズニーランドの『スタージェット』がモチーフであろうアトラクション。
これは二人ずつ飛行船に乗り込むライド型のアトラクションであり、
現在6人組となっている一行はそれぞれペアを組んで並ぶことに。
そしてできあがった組み合わせが以下の通り。
3列目:茜 もこ
2列目:加藤 ゆり
1列目:ネモ 吉田
もこ(こいつ隣かよ 嫌だな…… よし 無に……)
直前に『ブチ切れヤンキー VS ド正論リア充』という世紀の一戦を見ているだけに、
もこっちはペアになった茜ちゃんに対して完全にビビってしまっています。
一方、先述の通り“建前”という概念を既に取っ払った状態にある茜ちゃん。
彼女には、ここ数日で大きく膨らんだ“ある疑問”がありました。
その答えによっては、今よりもさらに自分の胸を苦しめるかもしれない“禁断の問いかけ”…。
“『黒木 智子』にあって、『岡田 茜』にないものとは…?”
胸の奥にずっと秘めていた思いはついに溢れ出し、
感情の渦が大きなうねりとなって一人の少女を飲み込みます…。
茜 「あんたっていつから陽菜と仲いいの?」
茜 「1年の時話してるとこ見たことないけど」
もこ「へ!?い いや いつからって 言われても」
もこ「そ…そもそも 仲いいかもわからないけど」
まだ曖昧な答えを返すもこっちに対し、
もはや納得のいく回答を得られるまで引き下がる気など毛頭ない茜ちゃん…。
そして、話題は核心部分へ…。
茜 「あんただけ知ってたじゃん 陽菜の夢」
それは茜ちゃんが心をざわつかせる大きな要因の一つでした。
大切な親友がひた向きに情熱を注ぐ『夢』の存在。
それをいつも傍にいたはずの自分は気づくこともできず、
また、彼女本人からは一切共有してもらえなかったという悲しい事実…。
もこ「ぐ…偶然知っただけで 別に本人から聞いた わけじゃ……」
茜 「でも私には絶対言わなかったし隠してた それをあんたには教えたんでしょ」
実際、もこっちがネモの『夢』を知ったきっかけとは
“荻野先生との会話を立ち聞きしただけ”という、ただの偶然にすぎません。
(※第10巻『[喪90]モテないし将来について考える』参照)
しかし、重要な点はその後の話。
第10巻『[喪97]モテないし学食で食べる』にて、
自分の隠し続けてきた『夢』の存在にもこっちが気づいていると知ったネモ。
まだその時点ではこれまで通りごまかすことも、無視することだってできたはず…。
ですがそこで彼女が取った選択とはもこっちとだけは“本当の自分”として向き合うことでした。
(※第10巻『[喪97]モテないし学食で食べる』参照)
以下、上記感想より一部抜粋。
次に、この最後のシーンでのネモの描写について。
今もこっちが話している相手は本心をさらけ出した“本当のネモ”です。
そんな彼女はこの場面において、ここまでずっと影の中から話をしています。これはネモの心情を反映した表現だと思われます。
アニメが好きで声優を目指している“本当の自分”は
“影に潜めるべきもの”としてネモ自身は認識している、ということです。そしてそんな彼女からすれば、もこっちとは人からどう思われようと自分の思うがまま、
まさに“日の当たる道を突き進む存在”、という訳です。
偽りの仮面をつけ日々を過ごしていたネモの心に、突如差し込んだ一筋の光明。
彼女にとってその輝きはあまりにも眩しく、尊いものでした。
気づけば感化され、さらけ出されていく“ありのままの姿”…。
もこっちが荻野先生に導かれたように、
ネモはもこっちという存在によって光差す方へと導かれていきました。
(※第11巻『[喪107]モテないし気にかけられている』参照)
そんな二人の関係性を推し量れるはずもない茜ちゃんからすれば、本来“自分がいるべき場所”を
もこっちに取って代わられたような感覚を覚えるのも無理はありません。
だからこそ彼女は知りたいのです。
『黒木 智子』という少女はネモにとってどういう存在なのか…?
彼女はネモに一体何をもたらし、どこへ導くというのか…?
そして今、“元ぼっち”の口からついに紐解かれる、驚愕の真実…。
もこ「ま…まぁ声優目指してるって友達には言いたくないし……」
茜 「は?なんでよ」
もこ「だ だって『私かわいいです アイドル目指してます』って言ってるようなもんだし」
もこっちが何を言っているのか理解することができず、
茜ちゃんはただ聞き返すことしかできません…。
茜 「声優でしょ?アイドル関係ないだろ」
もこ「普通の人は知らないけど 声優って顔出して唄とダンスして恋愛禁止が普通だから」
もこ「男と恋愛すれば売女って言われて」
もこ「そのくせ30過ぎたら早く結婚しろとか言われる世界で……」
そこはまだ見ぬ新世界。
穢れを知らぬ乙女にとっては想像もつかない未知の領域です。
にもかかわらず、いとも簡単にその地を踏み荒らす、我らが主人公『黒木 智子』。
先程、茜ちゃんの心情を代弁して記述した、以下の問いかけ。
彼女はネモに一体何をもたらし、どこへ導くというのか…?
改めて、今度は一読者として問いかけたい。
『このクズは茜ちゃんに一体何をもたらし、どこへ導くというのか…?』w
とはいえ、茜ちゃんが親友の『夢』に対して理解が足りなかったのもまた事実…。
茜 (くそ…!全然知らない だから私には何も話してくれないのかよ)
乙女は自身の無知を恥じ、悔やむばかり…。
しかし、クズは走り出したら止まらない…!
もこ「それにエロゲー出演とかもあるし 友達に言いづらいんじゃ…」
茜 「は?エロ!? なんなの? エロ…ゲームって……」
もこ「え?Hしてるキャラのエロい声をネモ…根元さんがやるんだよ」
訪れる静寂、駆け巡る動揺…。
『岡田 茜』、緊急停止である…!w
しかし“そんなはずはない”と、どこか救いを求めるように再びもこっちへ問いかける茜ちゃん。
茜 「べ…別に全員や…やるわけじゃないんでしょ?」
もこ「いや…有名な人は男も女もやってた気するけど……」
もこ「あの有名アニメも一家全員でやってるよ」
訪れる静寂、駆け巡る動揺…。
『岡田 茜』、二度目の緊急停止である…!www
ちなみに“あの有名アニメ”というセリフのくだりですが、
『ガンガンONLINE』掲載時には“クレ●ンし●ちゃん”と、ほぼ名指しでしたw
クズには“大人の事情”なんか関係ないんだよ♪\(^o^)/
茜 「ま…まあ… よ 洋画とか…エロいシーンもあるし そ…そういうのでしょ?」
なんとかギリギリのラインで踏みとどまっている茜ちゃんに対し、
優しくトドメを刺してやるのがクズ主人公の務めというもの…!
もこ「うーん そういうんじゃなくて……こういう…」
そう呟きながら彼女がスマホで再生したものとは、
“イっちゃう!らめええ~~♡”
“んほ!んほおおぉぉー♡”
と、アニメキャラが喘ぎ悶えるHEART&SOULなイカれ動画♪www
ネモを光差す方へと導いたように、今度は茜ちゃんも誘ってみせた“元ぼっち”。
しかし今画面に飛び交うそれらは光は光でも、
『規制の光』が織り成すセクシャル・イルミネーション…!w
乙女の眼前に広がる世界は下品極まる新天地。
彼女の心は乱れ、戸惑い、そして訪れる本日三度目の緊急停止…!www
ところで黒木さん、君何でこういう時だけ饒舌なの?w(o^-^o)
そうこうしている内に気付けば回って来ていたもこっちたちの順番。
一行も飛行船へ乗り込み、いよいよアトラクションがスタートという状況の中、
ようやく現実世界へと舞い戻る乙女の意識。
目覚めた彼女が真っ先に取る行動とはただ一つ。
茜 「ひなーーーー!!!」
ネモ「え!?」
突然園内をこだまする魂の咆哮…w
叫び続ける彼女に呼ばれた側もその周囲も何事かとひたすらに驚くばかり。
そんな状況の中でただ一人、
シンプルにアトラクションの恐怖で目をつぶり、ブルってるゆりちゃん。
相変わらず可愛過ぎかよw
あっという間に時間は流れ、アトラクションも無事終了。
すると地上に降り立って直ぐ、ネモの腕を掴んだ茜ちゃん。
ネモ「!?ちょ…ちょっと…」
事態をよく飲み込めていないネモは少々困惑気味の様子。
しかし茜ちゃんは何も答えず、ただ真っすぐに前だけを見つめ彼女を引き連れていきます。
二人はそのまま一行から少し離れた位置へ…。
ネモ「何?急に?」
こうして、久方ぶりに向かい合った二人の少女。
少しよそよそしく振る舞うネモに対し、今ここで茜ちゃんが語り掛ける第一声。
それは謝罪の言葉でも怒りに任せた憎まれ口などでもなく、
“大切な友を救いたい”
そんな純粋な想いが込められた熱いメッセージだったのでした…。
茜 「声優なんてやめなよ」
あまりにも唐突に告げられた茜ちゃんからの提案。
まだその意図を汲み取れていないネモは、
それこそ自身の夢を否定されたように受け取ってしまいます…。
ネモ「……なんでそんなこと茜ちゃんに言われなきゃいけないの?」
茜 「陽菜の為に言ってんだよ!」
しかしそれは言葉足らずながら、紛れもなく友の将来を案じた“心からの訴え”。
今も昔も決して揺らぐことのない“確かな友情”がそこにはありました…。
だって、それもそのはず…。
茜 「声優ってエロいことやるんだろ!そんなのダメだ!!」
ネモ「は!? 何言ってるの?」
罠カード発動!
『黒木智子の刷り込み<ブラック・マジック>』!!www
今の茜ちゃんはさながら、もこっちから“ブレインコントロール”をくらっているようなもの!w
(※【遊☆戯☆王】第19巻『遊闘161 極限決闘!!』参照)
時間差で発動した特殊効果により、
刷り込まれた“イカれ知識”&“偏見”が次々と飛び出します…!
茜 「とぼけんな 黒木から聞いたんだ エロゲってのがあるって」
ネモ(クロ……バカなことふきこんで……)
ネモ「大丈夫だよ 別に声優全員がやってるわけじゃないから」
茜 「嘘だ! あの有名アニメも一家でやってるって 黒木は言ってたぞ!!」
ネモ(クロ本当 何言ってんの!?)
本当に何言ってるんでしょうね…w(o^-^o)
とはいえ、この作品の『穢れたブラック・マジシャン・ガール』改め、
『純潔の喪女 黒木智子』による摩訶不思議な黒魔術が炸裂し、
二人のすれ違いから始まったこの“いざこざ”は一気に終局へと加速していきます…!
(※【遊☆戯☆王】第20巻『遊闘174 神のコンボ!!』参照)
ネモ「いや 本当に全員がやるわけじゃないって……」
何とか声優という職業の実態を伝えようとするネモでしたが、
今の茜ちゃんにとっては、もはやそんなことすらも二の次の問題でした…。
茜 「…なんで本当のこと言ってくれないの そんなに私のことは信用できない?」
ここにきて溢れ出る“嘆き”にも近い感情の吐露。
これを受けてはネモも黙っていられません。
ネモ「…………でもさ 茜ちゃん 私が声優目指すって言ったら無視したよね?」
茜 「はあ!? そんなんで無視してるって思ったの!? バカじゃないの?」
茜 「ずっと一緒にいたのに 陽菜が本当のこと言ってくれないから怒ってるって」
茜 「なんでわからないんだよ」
『根元 陽菜』と『岡田 茜』。
二人は原幕高校入学当初からの付き合いであり、
すぐに打ち解け合った彼女らは常に行動を共にするようになりました。
気づけばまるで姉妹のような仲睦まじい関係性に。
二人が一緒にいることは必然であり、何ら疑問を抱かなかったあの頃…。
しかしあまりにも近くに居すぎたことがかえって相手の胸の内を、
さらには自身の胸の内を見えにくくしていました。
“理解し合っている”、そのような勝手な憶測と判断で自分たちを納得させ、
結果的に言葉で気持ちを伝え合うという機会を奪っていたのです…。
だからこそ、今彼女らに必要なことはただ一つ。
互いに本音で向き合い、しっかりと自分の言葉で胸の内を伝えるということ…!
彼女らが今一度立ち返るべきは出会ったあの頃。
仮面を付けず、理想を押し付けず、“ありのままの姿”で。
そして彼女らは再出発のスタートラインへ…。
(※第15巻『特別編8』参照)
茜 「結局さ…今こうして声優やめろって言ってるけど」
茜 「それでも…最初に相談してほしかった」
これが『岡田 茜』の胸の内。
悔しくて、切なくて、なかなか口にすることのできなかった彼女の本音です。
言葉にしたことでずっと抱え込んでいた暗く重い感情が少しずつ和らいでいくかのように、
茜ちゃんの表情は既に先程までの強張ったものではなくなっており、
どこかスッキリとした晴れやかなものへと徐々に変化していました。
そして、次はネモが伝える番です。
ネモ「ごめんね茜ちゃん ずっと黙ってて 本当のこと言うよ」
ネモ「声優は止めないし 黒木さんの言ってるような仕事もあるよ」
ネモ「でも別に強制じゃないし嫌な人は断れると思うよ 多分ね…」
これが『根元 陽菜』の胸の内。
たとえ親友に止められようと、自分の夢は決して諦めない。
まだまだ子供の自分たちには想像もつかない程の暗い側面がその道の先にあるのだとしても、
少なくとも今ここで自分が夢を諦める理由にはならないのだと。
しかし、それは“親友への拒絶”を意味しているのではありません。
実はこれ程に強情で“わからず屋”とも捉えられかねない、
本当の自分の姿をさらけ出した、その覚悟。
それはつまり“そんな自分を知った上でもそばにいて欲しい”という、
大切な親友への心からのメッセージでした…。
ネモ「それだったら応援してくれる?」
茜 「………夢なんだよね」
ネモ「うん」
茜 「……じゃあするよ」
ネモ「ありがと」
そしてここで差し込まれるのはネモが茜ちゃんへそっと歩み寄る足元のワンカット。
先述の通り第10巻『[喪97]モテないし学食で食べる』で描かれたのは、
アニメが好きで声優を目指している“本当の自分”は“影に潜めるべきもの”と、
そう自分自身で認識しているネモの姿でした。
(※第10巻『[喪97]モテないし学食で食べる』参照)
それを踏まえた上での今回のワンカット。
見ようによっては、
ネモ自ら歩み寄ることで自身の影へと茜ちゃんを招いているようにも捉えられます…!
これこそ彼女が本当の意味で茜ちゃんを受け入れた証であり、
『これからは“ありのままの姿”で、一緒に歩んで行こうね』
という彼女からの明確な意思表示、それが表現されていたといえるのではないでしょうか。
今やネモの心情を推し量る上で“影の描写”は切っても切り離せない重要な要素となりました…!
ずっと膠着状態が続いていたネモと茜ちゃんの仲違い。
それがここにきて急速に変化を迎えていることは彼女らを待つ一行の目にも既に明らかでした。
何とか二人の関係性を修復しようと単身尽力していた加藤さんからすれば、
“一体何がきっかけとなったのか?”、彼女が気になるのも当然の流れというもの。
加藤「茜となにを話してたの?」
もこ「いや たいしたことでは……」
まだ大して仲良くないクラスメイトに対し、
セクシャル・イルミネーションを見せつけていただなんて言える訳がありませんw
しかしこの出来事を境に加藤さんのもこっちを見る目が徐々に変化していくのですが、
それはまた別のお話…。
(※第14巻『[喪137]モテないしGWを迎える』参照)
そうこうしているとようやくネモと茜ちゃんの二人が一行のもとへと戻って来ました。
穏やかな二人の表情や雰囲気から、
元通りもしくはそれ以上の関係性を再び構築できたのだと、優しく察する一行。
加藤「仲直りできた?」
茜 「……うん 色々ごめんね よしにLINE送っとく」
ここで“清田君の名前が出てくる”という点に、
入学当初よりずっと共に過ごしてきた仲良し三人組の関係性の深さを改めて感じることができ、
三人が無邪気に笑い合っていたあの日々がついにかえってくるのだと、
私は何ともほっこりした気持ちになれました。
さて、一方のネモはというと、
一度しっかりお灸をすえるべき要注意人物のもとへと静かに歩み寄っていたのでした…w
ネモ「クロ 知らない人にエロゲーとか言わないでよ」
もこ「い…いや 聞かれたから」
もこ「でも声優って言ったらエロゲーは避けて通れない仕事でしょ?」
ネモ「クロはバカだなー」
もこ「バカ!!?」
これが“むき出しの感情”ってやつですね、根元先輩…!www
今回の遠足編を通して、ネモはもこっちの前だと
一切包み隠さず本音で向き合うという姿がすっかり板に付きましたね!
まぁもこっちの場合は黒魔術ばっか使ってないで、
“たまには本音を引っ込めてくれ…”と思う状況も多々ありますが…w
しかし、今回も終わってみれば空気を読まず、決してブレることのない、
もこっち独自の発想・行動によってまたしても二人の少女の心が救われました。
これもまた、第7巻『[喪60]モテないし犬になる』の感想において触れた、
以下の内容に通じる部分があるでしょう。
今回のエピソードも振り返ってみれば、
あの手この手でもこっちが見栄を張ろうと画策した部分はすべて失敗に終わり、
唯一損得勘定抜きで突発的に起こしたもこっちにしかできない独自の発想・行動、
それのみが他者の心を動かしました。
これこそ、この【わたモテ】という作品が我々に伝えている大きなテーマなのだと、
私は認識しています。
最後に“愛すべきバカ”な友人から飛び出た思いがけぬ発言をネモは今一度真摯に受け止め、
向き合いました。
ネモ(まぁ……確かに もし依頼された仕事なら断らないけどね……)
そして彼女が笑顔で振り返る先には、
以前よりもさらに強い絆で結ばれたに違いない大切な親友の姿が…。
こちらへ優しく微笑み返す茜ちゃんを見つめ、ネモは思います。
ネモ(さっきの茜ちゃんは面白かったなーー エロゲーくらいであんなに取り乱して)
ネモ(もし私がHなゲームやアニメの声をやったら どんな顔するかな?)
ネモ(クロ以外には言わないと思ったけど…)
ネモ(その時は最初に茜ちゃんに教えてあげるね)
少々小悪魔な一面が顔をのぞかせるネモの最後の独白。
しかし重要な点はこれも彼女が本来持ち合わせている内面の一部である、ということ。
ひた向きに夢へ向かって走り続ける誠実な彼女の一面も、
“ありのままの姿”で日々を駆け抜けたいと、
“元ぼっち”の少女に憧れを抱いた悩み多き彼女の一面も、
イタズラ心を膨らませ、
親友を驚かせようとする子供っぽい彼女の一面も、
そのどれもが『根元 陽菜』を形成する要素であり、紛うことなき彼女自身です。
だからこそ、ここでのネモの最後の独白とは彼女の新たな一面を示唆する描写なだけでなく、
それと同時に自身が抱える少々やっかいな一面も含め、
茜ちゃんには自分の全てをさらけ出すと誓った、いわば彼女なりの決意の表れなのです。
(※第14巻『[喪139]モテないし大学に行く理由』参照)
『根元 陽菜』と『岡田 茜』。
二人の少女のすれ違いから始まったこの“いざこざ”も、次々と周囲を巻き込み、
そして紆余曲折の末に辿り着いたのは“愛すべきバカ”の常識破りな奮闘劇。
これをもって彼女らはようやく胸の内をさらけ出し、
今ここに二人の物語は新たな“始まりのとき”を迎えたのでした…!!
というところで第129話が終了。
第13巻『[喪124]モテないし友達の関係』より始まっていた、ネモと茜ちゃんのすれ違い描写。
様々なトラブルを乗り越えながら本エピソードでようやく解決へと至りました…!
やはりその中心にいるのは“元ぼっち”。
相変わらず斜め上の発想から物事をかき回し、
気づけば事態が好転しているというミラクル珍プレー!
もこっち本人は特に大層なことをしたつもりは一切ない、という点が何とも彼女らしい…w
我らが主人公の今後の活躍ぶりにも期待です!!
また、触れずにはいられないのが、
今回最後に描かれた茜ちゃんの“長年連れ添った正妻感”…!!w
普段、どちらかというとクールで男勝りな言動をとっているだけに、
突然しおらしく、優しく微笑む姿を見せつけられたとあっちゃ、たまりません…!
この茜ちゃんに心を撃ち抜かれた読者も多いのではないでしょうか?
私もイチコロでしたよ、ハイw(*´꒳`*)
そして、いよいよ終局が見えてきた遠足編。
とか言いつつ、ついには1記事1感想という速度感に落ちた当ブログ…!w
ダメだこりゃ!w\(^o^)/
過去記事の修正なども含め日々少しずつでも書き進めているんですが、
ここのところ仕事が立て込んでいてなかなか時間を取れず…。
お待ち頂いている方(※がいるのかは不明ですが)には申し訳ない限りです…。
とはいえ、感想スタイルを変える予定は特になく、
これまで通りできるだけ丁寧にじっくり読み解いていく所存です。
今回の記事で約15000~17000字というところでしょうか?
まぁそれだけ“語りたいことがある”ということなんで許して下さい…w(o^-^o)
エピローグを除けばこの章の本編はラスト1話。
引き続きじっくり読み解いていきます!
できましたら今後ともお付き合い下さいませ~m(_ _)m
=======※追記_ここから=======
2020年2月20日、
【わたモテ】聖地巡礼の一環として【東京ディズニーランド】を訪ね、撮影を行いました。
舞浜駅へ降りてからの各工程を動画に収め、“原作との比較”など、
聖地巡礼動画として編集しYouTubeで公開しています。
元ぼっちの少女がつまずき・巡ったその先で、ようやく紡いだ絆と奇跡…。
そんな“夢の国”での輝かしいひとときを追体験としてどうぞお楽しみ下さいませ~m(_ _)m
YouTubeチャンネルはこちら!:
【エンタメ日和のエンタメチャンネル】
=======※追記_ここまで=======
◆投稿動画
▼イベント紹介動画
【わたモテ】や【チェンソーマン】など、大好きなエンタメ作品のイベント開催時は
できる限り実際に参加し、その都度『紹介動画』を作成してきました。
これまでに作成した『紹介動画』は全てYouTubeで公開していますので、
何か気になる作品・イベントがありましたら、どうぞお手隙の際にでもご確認下さいませ。
▼聖地巡礼動画
現在、YouTubeで【わたモテ】の聖地巡礼動画を公開しています。
第1弾:【伏見稲荷大社】
第2弾:【東京ディズニーランド】
原作で描かれた“あの日々”の追体験として、どうぞお楽しみ下さい。
また、皆さんが聖地巡礼する際の参考にでもして頂ければ幸いです。
チャンネル登録の程、何卒よろしくお願い致します。m(_ _)m
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※本ページの情報は2020年9月時点のものです。
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◆まとめ
以上が【わたモテ】第13巻の感想④となります。
長くなったので次の投稿に続きます。
それでは、また~(。・ω・)ノ゙
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