皆さん、こんにちは!エンタメ侍です。
前回に続き【私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!】(以下、【わたモテ】)
の第13巻の感想記事になります!
以下より第130話の感想&考察を記述していきます。
目次
◆【私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!】第13巻 感想⑤
▼感想&考察
◎[喪130]モテないし遠足が終わる
感想&考察
前回の『[喪129]モテないし教えてあげる』の中で、
肩を落としながら“夢の国”で一人寂しく過ごしていた小陽ちゃん…。
そんな彼女を見つけ、単身歩み寄っていたのがまこっちです。
まこ「ほら みんな心配してるし 戻ろ」
南 「やだ!私なんかみんなどうでもいいんだよ!」
まこ「……」
普段、人の悪口を好んで口にしている彼女ですが、
そういう人物程いざ自分が責められるとなると案外脆いもの。
自暴自棄ともいえる小陽ちゃんの様子に、
まこっちはどうしたものかと頭を悩ませているのでした…。
一方、気づけば大所帯となっている我らがもこっちをはじめとした女子グループ。
第12巻『[喪122]モテないし3年生になる』での“自己紹介”以降
ずっとぎくしゃくしていたネモと茜ちゃん(あーちゃん)の関係性も、
“愛すべきバカ”による摩訶不思議なアシストの甲斐もあって無事修復…!
(※第13巻『[喪129]モテないし教えてあげる』参照)
ひとまず一行は前回の茜ちゃんのセリフにあった通り、
清田君たちのグループとLINEで連絡を取り合い一度合流することに。
こうして彼らと第13巻『[喪125]モテないし遠足がはじまる』以来の再会を果たした一行。
やはり高校入学当初から培ってきた絆は確かなようで、
つい先程までネモと茜ちゃんの二人に振り回されていたというのに、
清田君も鈴木君も再び彼女らを優しく迎え入れてくれます…。
清田「仲直りしたのか」
ネモ「あーうん」
茜 「ごめんね いろいろー」
鈴木「どうする?今から一緒に回るか」
前回の別れ際では少々語気も荒くなっていた鈴木君ですが、
それは彼がこのグループで過ごす時間を大切に感じているからこそ。
お騒がせな二人と再会してからは特に詮索するようなことをせず、
彼がみせたのはそんな彼女らを優しく受け入れる姿勢でした。
鈴木君は現時点(2019年12月現在)でも
まだそこまで掘り下げられていないキャラクターの一人ですが、
今回のこのセリフによってただの“リア充男子”という枠組みから少し脱したように感じます。
ネモ「えーとね…」
心優しき友人からの提案を受け、ネモは一度もこっちたちの方へと振り返りました。
その様子を見ていた茜ちゃんは彼女へ一言。
茜 「私達はいいから 黒木らと行ってきなよ」
互いに胸の内をさらけ出すことで、その“つながり”がより強固になった二人。
茜ちゃんの中にあったわだかまりは既に和らぎ、心にはいくらかの余裕が生まれていました。
本当に大切な存在だからこそ、相手の意思を尊重できるというもの。
清田君と鈴木君、そして茜ちゃんからの優しき配慮。
そして、その奥にある“揺らぐことのない確かな友情”。
それらを改めて感じ取ったネモは答えます。
ネモ「んーん 大丈夫」
直後、再びもこっちたちに近寄るネモ。
ネモ「付き合いでちょっとだけ抜けるからまた後でね クロ」
ネモ「吉田さんも 田村さんも」
もこ「お…おお」
ゆり「………」
吉田「またな」
ここで振り返りたいのは、
第13巻『[喪126]モテないしあだ名で呼ばれる』でのネモと吉田さんのやり取り。
吉田「お前なんでいんの?」
ネモ「まぁ色々あって…」(言い方!?)
吉田「ふーーーん」
このやり取りからも伝わる通り、
当時は明らかにネモのことを“部外者”として認識していた吉田さんでしたが、
行動を共にすることで二人は徐々に打ち解けていきました。
決定的だったのは、前回のエピソード。
茜ちゃんに対して「私も一緒だ」と告げていたように、
自身も本来の友人たちと“仲違い”しているのが彼女の現状です。
(※第13巻『[喪129]モテないし教えてあげる』参照)
ネモと茜ちゃんが関係性を修復させる一方で、その様子を間近で見ていた彼女は
どこか自分の未来もそこへ重ね合わせていたのかもしれません…。
それだけに今ではネモたちを身近な存在として認識するようになっています。
先程の「またな」という吉田さんの発言は“再会を誓う”意味合いだけでなく、
“(似通った境遇である)仲間の新たな門出を心から応援している”、
そのようにも受け取れます。
加えて後の展開も踏まえた場合、
彼女はこの時点で友人と“仲違い”している自身の現状とも向き合っており、
既に心の整理がついているのだと感じられます。
そういう状況で彼女の口から飛び出した「またな」という発言。
たった一言ですが、吉田さんの背景を考慮することで非常に印象的なものとなりました。
ところでネモからしばしの別れを告げられた際、
もこっちですら返事をしているというのにゆりちゃんは安定のノーリアクションw\(^o^)/
こりゃネモが不安になるのもムリないっすわ…w
(※第13巻『[喪126]モテないしあだ名で呼ばれる』参照)
こうして、大所帯から一気に三人組となったもこっち一行。
吉田「またいなくなっちまったな」
ゆり「これからどうする?」
すると、その背後から吉田さんを呼ぶ声が…!
杏奈「茉咲」
吉田「お前ら!?」
3人の前に現れたのは杏奈さんと麗奈さんでした。
吉田さんは驚きを隠せませんが、何よりもまず彼女には“伝えるべきこと”がありました…。
吉田「どこ行ってた? …いや それよりなんだ…… 私に非はねぇが 悪かったな」
杏奈「もういいよ」(非はあんだろ)
ようやく伝えることが叶った謝罪の言葉。
彼女が告げている通り、吉田さんは今でも別に間違ったことをしたつもりがありません。
しかし、だからこその吉田さん側からの謝罪なのです。
前回の彼女の言葉を借りるとすると、
大切な友達ならば『こちらから折れてやらなければならない』ということ。
注目したいのは、先程茜ちゃんがネモに示した姿勢との類似性です。
本当に大切な存在だからこそ、相手の意思を尊重できるというもの。
この流れは本エピソードにおいて一つの大きな主軸になっていると思われます。
続く展開にも同様の流れが随所に見受けられるので、
ここからはその点にも注目しながらお話を追っていきましょう。
杏奈「麗奈 言いたいことあんだろ」
麗奈「ちょっくらシーの方行っててな」
吉田「なんだと!?」
麗奈「お前シーでしか買えねーうさぎのやつがどうとか言ってたよな」
吉田「……!?お前まさか」
身構える吉田さんに向け、麗奈さんが取り出そうとしているのは一体のぬいぐるみ…!
数刻前には突然殴りかかられた側だというのに、“仲直り”のためのこの気づかい。
吉田さんがそうであるように、麗奈さんもまた相手の意思を尊重する姿勢をみせています。
それこそ、互いを大切な友人と捉えている証といえます…!
たとえ一時『衝突』することがあろうとも、
彼女らが培ってきた熱い友情関係は決して崩れることがないのです!
…とかなんとか言ってるそばから、迫り来る『セカンドインパクト』の予感…!w
麗奈「こいつが欲しかったんだろ?やるよ」
吉田「持ち方ぁぁー!!」
麗奈「ぐはぁ!!?」
突如麗奈さんを襲うは宙を切り裂く吉田さんの右ストレート…!www
ほぼノータイムで繰り出された暴力には圧倒的な既視感を覚えますが、それもそのはず。
前回と構図すらほぼ同じですw
(※第13巻『[喪127]モテないしのる』参照)
麗奈「てめーせっかく買ってきてやったのに何すんだ!?」
吉田「耳持つんじゃねーよ」
杏奈「おい!いい加減にしろお前ら!!(特に茉咲)」
それにしても先程から杏奈さんの心の中のツッコミがキレッキレで笑えますw
声に出しては言わない辺り、
ヤンキー娘グループの中でも彼女が一番理性的であることは間違いなく、
これまでもいろいろと苦労してきたことがよく伝わります…w
ちなみにここで登場したぬいぐるみは『ステラ・ルー』という
実際にいるキャラクターのグッズがモデルになっています。
本編の通りこちらは【東京ディズニーランド】では購入できませんので、
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杏奈さんの仲裁も入り、何とか落ち着きを取り戻した二人。
吉田「まぁ…その…ありがとな……」
麗奈「ああ…」
もこ(やっぱヤンキーはアホだ……)
もこっちのセリフが正論すぎてこれまた笑ってしまいますが、
何よりも吉田さんのぬいぐるみの持ち方よ…!w
大切な宝物のようにギュッと抱きしめていますが、よく考えてみて下さい。
ただ単純に愛でているだけならば、ぬいぐるみの顔を自分の方へ向けるはずです。
しかし、吉田さんの持ち方は逆…!
まるで“夢の国”で巻き起こる感動的なあれやこれやを
「君も私と一緒に見て楽しもうね♪」とでも言わんばかりですw
絶対いいお母さんになりますよ、この子w
とにもかくにも、ようやくこちらのいざこざも一件落着です。
すると、“当初の目的は果たした”とばかりに杏奈さんから一言。
杏奈「んじゃ茉咲は連れいるみたいだし あたしらは行くわ」
それだけ告げると、本当にその場を去って行く二人。
本来は吉田さん・杏奈さん・麗奈さんの三人でまわっていたのですから、
問題が解決したのなら再び三人のグループに戻る、
もしくはもこっちたちのグループに合流する、というのが自然な流れです。
しかし、彼女たちはそうしませんでした…。
“茉咲が楽しくやれているなら、それでいい”
“ここで合流したら変に気を使わせてしまう”
杏奈さんたちが選択した行動の背景には、
そういった“相手を思いやる感情”が働いていることが明白であり、
やはりここでも強く感じるのは以下の精神。
本当に大切な存在だからこそ、相手の意思を尊重できるというもの。
そしてこの流れを受け、さらに思いやり溢れる行動を取ったのが“彼女”。
ここまでずっと口を閉ざしていたゆりちゃんです…。
ゆり「吉田さん 私は黒木さんと行くから あの人達と行って」
一瞬驚きつつも、その意図を汲み取った吉田さんは優しく言葉を返します。
吉田「……わかった でも約束忘れてないよな?」
ゆり「うん」
吉田「じゃあまた後でな」
こうしてゆりちゃんは吉田さんを送り出した訳ですが、
第13巻『[喪129]モテないし教えてあげる』にて一人寂しそうに過ごす小陽ちゃんのもとへと
まこっちの背中を押し出したのも同様にゆりちゃんでした。
しかし、思い返せば第12巻『[喪120]モテないし打ち上げる』にて、
いつもの四人組で同じ時間を過ごすということに対し
誰よりも固執していたのは何を隠そうゆりちゃん自身です。
そんな彼女が今回改めてみせた、自分の願望を抑え込んででも相手を気づかう姿勢。
ここまで本編を読み進めたことで見えてくるものが、
遠足編全体を通して描かれている一貫したテーマの存在です。
先程から本エピソードにおける格キャラの行動理念の類似性について触れてきましたが、
もう少し視野を広げてみた場合、
・もこっちとネモの関係性
(※第13巻『[喪126]モテないしあだ名で呼ばれる』参照)
・もこっちとゆりちゃんの関係性
(※第13巻『[喪127]モテないしのる』参照)
・小陽ちゃんと加藤さん&茜ちゃんの関係性
(※第13巻『[喪128]モテないし回る』参照)
・ネモと茜ちゃんの関係性
(※第13巻『[喪129]モテないし教えてあげる』参照)
ここに列挙した以外のものも含め遠足編が始まってからというもの、
各々の関係性に大きな変化・転換期が生じています。
突き詰めれば人間関係とは本来流動的で移り行くもの。
“いつまでも同じ関係性のままで”
そうは思っていても時間の流れや身を置く環境の変化により、
自分と他者との“つながり”は日々そのかたちを変えていきます。
そういった関係性の変化がこの遠足編では強調的に描かれているのです。
ここで重要な点は、
そんな不可逆の変化をどのように迎え、どう受け止めるかということ…!
現時点で明暗を分けているのは心から相手と向き合うことができたかどうか、
さらには自分自身とも向き合うことができたかどうか、それらに尽きます。
誰よりも『変化』を恐れているゆりちゃんが自ら『変化』を促す行動に出たからこそ、
そのメッセージ性が際立つ構成となっています。
(※第13巻『[喪127]モテないしのる』参照)
そしてこの大きな流れに関しては当然もこっちもその例外ではありません。
あの日、元ぼっちの少女が失った“大切な何か”…。
彼女の『変革と再生の物語』はいよいよ核心部分へと迫ってきました。
入園以降、ずっと大所帯で行動していたもこっちですが、
気づけば似た者同士のゆりちゃんと二人っきりの状態に。
どこかへ向かうでもなく、二人は腰掛けながら園内の様子を静かに見つめるのみ。
先程までのにぎやか時間がうそのように、ただただ穏やかな時間が流れます。
もこ「なんか疲れたな……」
ゆり「そうだね……」
もこ「あと2時間くらいか… なんか乗りたいのある?」
ゆり「別に」
そこから特に会話が続くこともなく、しばし沈黙の時間が…。
先にこの沈黙を破ったのはもこっち。
もこ「や…やっと二人きりになれたね? なんて…へへへ」
ゆり「う…うん」
もこ(いや つっこめよ!そういうところだぞ!!)
気を利かせて少しおどけてみせたもこっちでしたが、
ゆりちゃんには全く意図が伝わらず、断念…!w
とはいえ、ここでもこっちはゆりちゃんの人間性、
さらには自身との関係性を今一度見つめ直すことになります。
もこ(人数減って寂しくなったから盛り上げようとしたが)
もこ(よく考えたらこいつはそういうの気にするタイプじゃないか)
この場面を読み解く上で振り返りたいのは二人が出会ってまだ間もない頃。
たとえば修学旅行初日には、
もこ(生ゴミやうんこと同居してるほうがマシなレベル…!!)
という発言が飛び出す程、もこっちはゆりちゃんたちと過ごす沈黙の時間に苦しんでいました。
(※第8巻『[喪72]モテないし京都に着く』参照)
しかし、交流を深めていく内に彼女たちの内面も徐々に明らかになり、
その過程でいつしかもこっちはゆりちゃんに対し親近感のようなものを覚えていくことに…。
(※第12巻『[喪112]モテないしバレンタインデーを送る①』参照)
今では“寂しくなったから盛り上げよう”という発想になれる程、
ゆりちゃんと過ごす時間に対してもこっちは前向きになっています。
先程の“そういうの気にするタイプじゃないか”というセリフも
言い換えるならば“この子がそれでいいなら別にいいか”であり、
つまりは『ゆりちゃんと過ごす沈黙の時間をもはや自分自身は苦痛に感じていない』、
ということです…!
そして、この事実に関連するゆりちゃんの過去のセリフがこちら。
ゆり(私は黒木さんって無理して話さなくていいから楽だけど)
ゆり(黒木さんはどう思ってるんだろ…)
(※第12巻『[喪112]モテないしバレンタインデーを送る①』参照)
すなわちあの日ゆりちゃんがふと抱いた疑問、
その答えが数ヶ月の時を経てここに示されているのです…!
ただし、それはまだ“心の声”を覗ける読者目線での話。
ゆり(あ…さっきの 黒木さんの冗談か……)
ゆり(私も返した方がいいのかな……そういうの得意じゃないけど)
彼女がこういう思考に至ってしまったのも仕方のないことです。
となると、問われるのはゆりちゃんのギャグセンス…!
初登場(※第8巻『[喪69]モテないし班決めする』)より約60話。
『田村 ゆり』の秘めたるユーモアがついに解き放たれます…!!
ゆり「……これでもう私達に邪魔は入らないね」
もこ「へ?」
ゆり「え?」
ノーブレーキ上等!アクセル全開のぶちかましが炸裂!!www
ギャグなのかマジなのか、もこっちにはうまく伝わっておらず…!w
ゆり「……いや なんでもない」
もこ「あ!」(こいつなりの冗談か!?テンポ悪いわ!!)
心の中ではこんな風にツッコんでいるもこっちですが、
よくよく考えてみればつい先程、彼女のボケもゆりちゃんにはうまく伝わっていませんでした。
こんなところでも似た者同士な二人に思わずニンマリしてしまいますw
もこ「いやなんかごめん……無理させて……」
この状況での謝罪など、むしろ“煽っている”のと同義…!w
ゆりちゃんの顔はみるみるうちに真っ赤になっていき、そして…。
もこ「いてぇ!!?」
直後もこっちの右腕に炸裂する『田村 ゆり』渾身のエルボー!
彼女が解き放ったのは“ユーモア”でなく“暴力”という恐ろしい事実…!w
ゆり「無理してないよ」
もこ「い…いや これだけじゃなく乗り物とかびびってたし…」
もこ(つーか殴りやがった……)
ゆり「びびってないよ」
絶対に認めないゆりちゃん…w
ただ、ここで注目したいのはもこっちのセリフ。
ギャグテイストで描かれてはいますが、彼女がみせているのはまさしく思いやりの精神そのもの。
“乗り物”アトラクションを皆で楽しんでいた時から
苦しそうにしているゆりちゃんのことをしっかり気に掛けていたのです…!
その後のゲスト参加型のショー・アトラクションでは
同じ“陰の者”として彼女に優しく手を差し伸べていたのも記憶に新しいところ。
(※第13巻『[喪127]モテないしのる』参照)
先程もこっちが思わずつぶやいたセリフの節々には、
それこそ本エピソードで重ね重ね描かれている“他者を気づかう姿勢”が見え隠れしています。
だからこそ…!!
このタイミングで彼女の脳裏を駆け巡るのは“あの日”の記憶…。
もこ「そ…そうだ 乗りたいの一つあった!」
ゆり「え?」
そのままもこっちはゆりちゃんを引き連れ、苦い思い出が残る目的の場所へと向かうのでした…。
こうして二人がこの日最後に訪れたのは、
【モーさんのミルクハント】というライド型アトラクション。
元ネタは【プーさんのハニーハント】というアトラクションであり、
【東京ディズニーランド】側にあります。
ゆり「これ激しくないやつだけど 私に気を使ってる?」
もこ「いや 違くて」
もこ「中学の時に友達にこれ乗ろうって誘われたけど乗んなかったから」
ゆり「……成瀬さん?」
もこ「違う ゆうちゃんに会う前の話」
ゆり「そう」
まず、ここでのゆりちゃんの心情について。
いつもの四人組で過ごす時間を何よりも大切にしている彼女。
“自分たちこそが『特別』であってほしい”
そのような独占欲にも近い感情が未だ彼女の心の中を彷徨い続けています。
それゆえに『成瀬 優』という、
もこっちとの強い絆を感じさせる存在はやはりどうしても気になってしまう様子…。
直接言葉にこそ出してはいませんが、先のゆりちゃんの微妙に煮え切らない反応からは
彼女の中の静かな葛藤が伝わってきます…。
(※第13巻『[喪124]モテないし友達の関係』参照)
そして、問題のもこっち。
彼女がここで語っているのは第9巻『[喪79]モテないし自由行動する』にて明かされた
中学時代のエピソードの件です。
その時も同様に遠足で【ネズミーランド】を訪れていたもこっちは、
行動を共にする同級生の女子二人から【モーさんのミルクハント】へ行こうと
提案されたにもかかわらず「あんなのガキの乗り物だよ」と一蹴。
彼女は当時“夢の国”に来てあえてレトロアーケードゲームをやることに格好良さを見出しており、
同級生二人を無視してそのままゲームに熱中してしまいました。
案の定、遠足後に彼女らとは疎遠に…。
(※第9巻『[喪79]モテないし自由行動する』参照)
過去の“過ち”から数年。
彼女はようやくこの地へと足を運ぶことになりました…。
列に並ぶことしばらく。
いよいよ順番となり、牛乳を入れる樽(?)を模した乗り物へと乗車する二人。
このアトラクションは元ネタと同様、“急激な落下”などの刺激的な要素は特に無く、
専用の乗り物に乗って施設内をぐるぐると巡りながらファンタジーで愉快な世界観を堪能できる、
そんな比較的小さなお子さんでも楽しめる内容となっていました。
しかし、“感性”というものは人それぞれ。
もこ(ギミックは色々あるがスリルは足りないな)
もこ(中学の時 ガキの乗り物って判断した私はあながち間違いではなかったな)
どうやらもこっちには少々物足りない内容だった様子。
すると、ゆりちゃんが一言。
ゆり「私はこれが一番好き」
もこ「え? あっ そう!」
一度もこっちに当時の判断を“間違いではなかった”と語らせてからのこの流れ…。
かつては級友と楽しく過ごす時間よりも、自分のエゴを優先した一人の少女。
あの日、彼女が“大切な何か”を失ったという事実は徐々にその重みを増していき、
やがて暗く孤独な日常へと自身を誘うことに…。
それでも彼女は決して折れることなく、
独自の発想と言動で日々を駆け抜け、ついに迎えた変革の数々。
元ぼっちの飾らない“ありのままの姿”は周囲へ多大なる影響を与え、
逆に今度は感化された側が彼女の心境へと変化をもたらします…。
ふと気づけば、彼女の周りには心優しき友人ばかり。
本当に大切な存在だからこそ、相手の意思を尊重できるというもの。
繰り返し描かれてきたのは、一人の少女を導く“道しるべ”のような清く美しい交流の数々。
それらを目の当たりにしつつ、
彼女がようやく辿り着いた場所は“幼く身勝手だった自分”を象徴する因縁の地。
そんな特別な場所で心通わせる友人が素直に目を輝かせる姿を前にし、
“ガキの乗り物”だと切り捨てるような悲しき少女はもうここにはいません。
長く険しい道のりを経て、ようやく手にしたかけがえのない仲間たち。
彼女らと共に少女はあの日失った“大切な何か”をついに取り戻し、
今ここに輝かしい未来へと再スタートを切ることが叶ったのです…!
アトラクションを終え、おみやげ売り場に立ち寄った二人。
もこっちも“そろそろ購入しておくか”と物色を始めました。
ふとゆりちゃんに視線を向けると、
そこには先程のアトラクションのキャラクターグッズとにらめっこ状態の彼女が…。
もこ(あの牛のやつ 気に入ったのか)
もこっちがそのまま棚の方へと目をやると、同じキャラクターグッズで
3種類のキーホルダーが1つのセットになった『三牛士』なる商品を発見。
もこ(これ安いな!一個ゆうちゃんで一個予備でもう一個は…)
特に迷うことなく、おみやげとしてその商品を購入したもこっち。
そして、彼女はゆりちゃんへと声を掛けました。
もこ「あっねぇ… これいる?」
ゆり「え?くれるの?」
もこ「う…うん 余ってるからさ……」
そう言いながらもこっちが差し出したのは、たった今購入したばかりの牛のキーホルダー。
差し出された側のゆりちゃんはじっとそのキーホルダーを見つめて一言。
ゆり「ありがとう」
もこ(表情筋10gくらいしかなさそうだからわかりづらいが 喜んでるか?)
その“表情筋10gの変化”がなんと尊いことか…!(*´꒳`*)
もこっちが損得勘定抜きでプレゼントしたそのキーホルダーとは、
いわば彼女からの偽りなき“友情の証”。
誰よりも『特別』な“つながり”を欲するゆりちゃんにとって、
この贈り物はどれ程心に響いたことでしょう…。
こうして様々な変化を生み出した遠足にもいよいよ終わりの時が訪れます。
集合時間を前に彼女らは一度“夢の国”を後にしました。
ゲートを出てすぐに生徒たちの集まりを見つけた二人。
この時点でゆりちゃんだけは“カチューシャ”を外しており、
それが彼女の心情を表した描写であることは前回の感想記事で述べた通り。
(※第13巻『[喪129]モテないし教えてあげる』参照)
皆のもとへ近づいてすぐ、誰よりも早く二人の存在に気づいたのが加藤さんでした。
加藤「黒木さんと田村さん 南さん見てないよね?」
もこ「え!?う…うん」
第13巻『[喪128]モテないし回る』にて
小陽ちゃんとの間に決定的な亀裂が入った後も彼女だけはLINEで呼び掛けており、
まこっち同様、小陽ちゃんの現状を心配している姿が描かれていました。
そんな聖人な加藤さんは質問を終えるともこっちに近寄り…。
加藤「じゃあ あーん」
もこ「へ?」
ここで彼女が突然差し出したのは一本のチュロス…!
もこ(何これ? 疑似フェ●!? 即尺じゃなく租借していいんだよな!?)
ここにきて輝きを増す、もこっちの圧倒的なエロワードセンス…!!www
今までの感動的なあれやこれやが全て帳消しになるレベルです…!
よくもまぁ、こんなにスラスラと…w
加藤「南さんの為に買ったんだけど戻ってこなくてさ」
加藤「このままだと冷めちゃうから」
もこ「むぐむぐ」
加藤「おいしい?」
もこ「う…うん」
強者<つわもの>同士は惹かれ合う運命。
『色欲にまみれた喪女』が今対峙するのは『包容力にあふれた聖母』!
初めて味わう“バブみ体験”に、もこっちはもうタジタジです…w
何か“お返し”をしなければと、ここで彼女が思わず取り出したのは例のキーホルダー。
もこ「あっそうだ!じゃ じゃあ お礼にこ これを…」
ゆり「!?」
加藤「え?ありがとー すごいかわいいー」
そんな君が誰よりもかわいいw
加藤「リュックにつけちゃおー」
もこ(キャバ嬢やアイドルに貢ぐ理由が少しだけわかった……)
新たな境地へと辿り着いたもこっちでしたが、この場面で彼女を静かに見つめる者が三名。
その一人であるゆりちゃんは、
いともたやすく“友情の証”を手渡す鈍感主人公に対し不満気な視線を送っています。
また、その後方で佇んでいたのがネモ。
ここまでのやり取り、さらにはゆりちゃんが所有するその“友情の証”を見つめ、
決意新たに“憧れの存在”へと歩み寄って行くのでした…。
そして最後の一人が、高校2年生編を支えた“陰の功労者”でもある荻野先生です。
荻野(黒木は吉田と田村以外にも友達ができたのね)
かつて、第6巻『[喪50]モテないし夕暮れの教室で一人佇む』では
荻野「見つけてもらうのを待ってるだけでは駄目よ」
と、もこっちへ熱く語ったこともあった彼女。
その後も熱血指導の模様は度々描かれ、たとえもこっちや読者から嫌われようとも、
ただひたすらに光差す方へと彼女らを導く熱血教師の姿に私はいつも魅了されています…。
(※第8巻『[喪77]モテないし二日目の夜を迎える』参照)
今回は問題児の成長をしっかり見届け一安心のご様子。
最後に続けてさらっと語ったのが以下のセリフ。
荻野(それはそうと 吉田と田中と南が戻ってこないわね)
荻野(まぁ あの3人なら大丈夫でしょう!!)
おい、導け!!www
こういうちょっと天然(?)なところも含めてやっぱり嫌いになれないんだよな~w(*´꒳`*)
一方、“友情の証”を求め一人奔走中のネモ。
ネモ「クロさー 今日 私のお昼とかおやつ結構食べてたよねー」
もこ「そ…それがどうした?」
ネモ「私にはなんのお返しもないの?」
もこ「あっああ…… なんか意外とセコいな……」
ネモ「っ!!?じゃ じゃあ いいよもう!」
もこ「い…いや 別にいいけど…」
思わぬカウンターに面食らうネモ…w
第13巻『[喪126]モテないしあだ名で呼ばれる』にて、
ようやく本当の意味で向き合うことができたこの二人。
もはやもこっちも素の自分を隠すことなくネモと接しており、
少々刺々しいこんなやり取りですら
“じゃれ合う悪友同士”といった感じで大変微笑ましく映ります。
もこ「これでいい?」
こうしてもこっちはネモにも例のキーホルダーをプレゼントし、
結局手持ちの『三牛士』は全てなくなってしまいました。
もこ(ゆうちゃんのは別の買うか にしてもみんな これそんなに欲しいの?)
もこ(転売したら高く売れんのか?)
まさかその価値を自分自身が引き上げていることになど、
到底想像が及ぶはずもない元ぼっち…。
ネモ「田村さんともお揃いだね」
このネモの発言に対し、ゆりちゃんは何も答えません…。
彼女からすればその“友情の証”たるキーホルダーとは
ようやく念願叶って自分が手に入れた『特別』な“つながり”そのもの。
目の前でこうも容易く手渡されては、彼女が一抹の寂しさを覚えるのも無理のないこと…。
ネモ「吉田さん戻ってこないね パレードどうするの?」
もこ「いや 私に言われても…」
そのまま話題は以前約束していたパレードの件へ。
加藤「根元さん 黒木さん達とパレード見るの?」
ネモ「うん 吉田さんと約束してるんだ」
加藤「じゃあ茜と私もついて行こうかな」
子犬のようにしおらしくなった吉田さんが懐かしい限りですが、
とにもかくにも、パレードに向け一行は再び大所帯を組むことに。
(※第13巻『[喪128]モテないし回る』参照)
そんな中、もこっちはある事実に気づきます…。
もこ(あれ?あいつは?)
見渡せば既にゆりちゃんの姿はそこになく、ここから舞台は再び“夢の国”へ…。
一足早く園内に戻ったゆりちゃん。
彼女は記憶を頼りに約束の集合場所へと到着。
ゆり(吉田さんが言ってた場所ここだっけ… ちょっとパレード場所からは遠いけど)
ゆり(やることないし 場所取りでもするか……)
こうして彼女は一人待機することに…。
そんなゆりちゃんより少し遅れて再入場したもこっち一行は、
絶賛『パレードの場所取り』中の吉田さんを発見…!
ネモ「吉田さん」
吉田「お!来たな」
加藤「点呼はどうしたの?」
吉田「あっちに行ってたら場所取り間に合わねーだろ」
これが遠足という『学校行事』であることなど、
【ネズミー】フリークな彼女の前ではもはや無意味な事実…!
ホントどういう理屈なの、それ?w(o^-^o)
吉田「田村はどうした?」
ネモ「そっちにいると思ったけど来てないの?」
もこ「…………」
実は吉田さんが今いる場所こそが本来パレードの場所取りをする約束の地点。
ゆりちゃんが今現在いるのは別の集合場所だったのです。
しかし、そんな勘違いに気付くこともなく、
みんなの到着をゆりちゃんはたった一人で待ち続けているのでした…。
ゆり(吉田さんも他の人も来ない……)
すると、ようやく彼女を呼びかける声が…!
ゆりちゃんが振り返ると、そこにいたのはまさかのネモ一人。
ネモ「パレードはここじゃないよ ここはパレードの後の花火の待ち合わせ場所だよ」
ネモ「吉田さんがね もしかしたらこっちにいるんじゃないかっていったから 私が来たんだ」
ゆり「そう」
ネモいわく、皆を代表して知らせに来たとのこと。
なお、この場面でワンカットだけ描かれた、
今まさにパレードを楽しんでいる吉田さんたちの様子について。
彼女は相変わらず例のぬいぐるみと“一緒に”楽しんでいるようで、
ピュアヤンキーのあざとさにはまったく恐れ入ります…!w(o^-^o)
さて、誤解も解けたところでここから皆と合流するのかと思いきや、
ネモはゆりちゃんへある質問を投げかけました。
ネモ「クロか吉田さんがよかった?」
ゆり「別に」
多くの人間関係に『変化』を生み出した今回の遠足も終幕間近。
そのようなタイミングで突如差し込まれた新たな交流。
既に次の『変化』の足音はすぐそこまで迫っていたのです…。
ネモ「もうパレード終わるし ここで場所取りしとこうか?」
そう言いながらその場に腰を下ろすネモ。
彼女はさらに話を続けます。
ネモ「今日一回も田村さんと一緒にならなかったね」
ゆり「……うん」
ネモ「最近さー 私の中で本音で話すのが流行りだから聞いちゃうけど」
ネモ「田村さん 私のこと嫌い?」
彼女の口から飛び出したのはあまりにもむき出しでストレートな質問。
状況によっては“いざこざ”に発展しかねないような内容です。
しかし、ネモの追及は止まりません。
ゆり「別に嫌いじゃない 好きでもないけど……」
ネモ「いいね クロの友達だけあって普通の答えじゃないね」
ネモ「2年の頃だったら田村さんと仲良くなる必要もないし」
ネモ「このまま近づかなくなってただろうな」
続く言葉の数々も今までのネモからは到底考えられないようなものばかり。
ただし、忘れてはいけないのが彼女は『黒木 智子』という一人の少女に心惹かれ、
“本心をさらけ出したやり取り”に憧れを抱いている、ということです。
以下、第13巻『[喪126]モテないしあだ名で呼ばれる』の感想記事より一部抜粋。
ネモが相手を煽るような発言をする場合、それは相手の本心を導き出そうとしているのです。
現に、意図せず煽るような発言を自然としてしまうもこっちの前では、
皆一様にいつの間にか本心をさらけ出すようになっています。すなわち、この物語において“誰かを煽る”という行為には、
“煽られた側がありのままの姿をさらけ出す”という、
暗黙のルールが徹底されている気がするのです。(※中略)
ネモはもこっちと互いに本心をさらけ出して向かい合うという
念願の関係性を築いて以降、今度は徐々にゆりちゃんを煽るようになっていきます。
これは当然のことながら、ネモがゆりちゃんを嫌っているのではなく、
もこっちの次に本音で向き合いたい相手として
ネモがゆりちゃんの存在を認めたからにほかなりません。
上記内容を踏まえればこそ、
ゆりちゃんのもとへとネモがわざわざ一人で赴いた理由がみえてくるというもの。
ネモ「でも今は違うから これからも田村さんが嫌でもからんでいくよ」
ネモ「友達の友達で同じキーホルダー持ってる同士だしね」
ゆり「別に嫌ではないけど……」
言うなれば、これはネモなりの宣戦布告です。
『“彼女”がそうであるように、あなたとは本音で向き合うと決めたから』
“変化を望む者”と“変化を恐れる者”とをつなぐのは、
自由気ままで制御不能な元ぼっち。
ネモ「あっそうだクロね おみやげ屋でまた同じキーホルダー買ってたよ」
ネモ「味しめたんじゃない」
ゆり「……バカだな」
ネモ「ねぇ バカだよねー」
彼女はいつも変わらずただ“ありのままの姿”で日々を駆け抜ける。
だからこそ、時に気高く・時に眩しい“唯一無二の存在”へ。
そんな“バカ”に惹かれ合う者同士。
辿った道は違えど彼女に関する見解には相違なく、
今一時ばかりは肩を並べ“愛すべきクズ”への共通理解を図ります。
それが今の彼女らにできる精一杯のコミュニケーション。
そして、これが二人にとっての第一歩。
こうしてまた奇妙で愉快な関係性が新たに構築され、
元ぼっちの周囲はより一層にぎやかな未来へと大きな広がりをみせることに。
パレードも終わり、ゆりちゃんたちのもとへとようやく合流したもこっち一行。
吉田「場所取りしてくれてたのか ありがとな」
さぁ見て下さい、彼女のぬいぐるみの持ち方を…!
まるで“散々遊び回って疲れたよな?”、
“だったらしばらくおやすみ…♪”という流れを想起させるような、
『おねんね抱っこ』モード突入ですよ?
何度でも言いましょう。
『絶対いいお母さんになりますよ、この子!!』
というかそのぬいぐるみ、もう魂宿ってるでしょ?w(*´꒳`*)
吉田「だけどここはシート禁止だから立ち見だな」
ゆり「そうなの?」
吉田「まだ花火まで30分以上あるが ここで待とうぜ」
そのくせ【ネズミー】関連のこととなると、
誰よりも詳しく常識人な一面をみせてくるので困ります…w
とにかく、一行は花火の時間までしばらく待機することになりました。
すると、花火を見ようと他のお客さんたちも続々と集まり始め、
その中には見知った顔ぶれもちらほら。
南 「ねぇーーまこっちー帰らない?人多すぎなんだけど……」
まこ「花火だけでも見て行こ きれいだよ」
まずは、冒頭以来の登場となったまこっち&小陽ちゃんペア。
つい数時間前にはひどく落ち込んでいた小陽ちゃんですが、
この一コマを見る限り特に気落ちしている様子は見受けられず、
何だったら“まこっちと十分楽しんだし、もう満足”ぐらいには持ち直しているように窺えます。
この辺りは遠足編のエピローグである
第13巻『[喪131]モテないし帰るまでが遠足』にて描かれていますが、
まこっちの“誰かを救済し導こうとする”優しき精神性はやはりお見事といったところ。
また、彼女らのすぐ近くで行動していたのが、
うっちーをはじめとする“雌猫の間グループ”の面々。
宮崎「うっちー待ってよ またはぐれるよ」
うち「こっちが穴場でよく見れるから」
うっちーが向かっているのは当然もこっちが現在いる集合場所。
彼女もしっかり吉田さんの提案を記憶しており、
想い人の元へと今まさに馳せ参じようとしていました。
やっと本来のグループへ合流できたというのに、彼女の頭の中は既にそのことでいっぱいです。
ここでの一件も含め、他のメンバーとのはすれ違いは大きくなるばかり。
やがて訪れる『衝突』へ向け、着実に時計の針は動き出していました…。
(※第16巻『[喪152]モテないし(・_・)』参照)
最後に、彼女らのその後方。
そこには第12巻『[喪119]モテないし打ち上げに行く』以来の登場となる、
三家さんの姿もありました。
直接の描写こそありませんが、
頬を染める三家さんの隣には間違いなく彼氏の『かっくん』がいると思われます。
ここまで頑なに顔だけは描かれてこなかった彼ですが、
第15巻『[喪145]モテないし3年のある日』にてようやくその顔がお披露目されることに。
果たして、もこっちたちと本格的に交流する日は来るのでしょうか?
一同が集結していく中、“その時”はいよいよやってきました。
建物の明かりが一斉に消え、ついに始まるショータイム。
静まり返った暗闇の中、上空へと打ち上がった光の軌道はやがて大きく弾け、
周囲をまばゆく照らす光の環となり、次々と空のキャンバスへ幻想的な世界を描いていきます。
それはまるで、どこかの誰かがこれまで歩んで来た道。
それはまるで、どこかの誰かがこれから歩んで行く道。
見るものによってその受け取り方も千差万別。
空を見上げる一同は今この瞬間の輝きを心に刻みます。
ふと目を横にやれば、こちらに手を振るまこっちの姿が。
彼女に気づいたゆりちゃんと吉田さんも静かに笑みを返します。
先程までブーブー言っていた小陽ちゃんに至っては、
見上げる夜空以上に目を輝かせてすっかり花火に夢中のご様子。
もはやこの“チョロ可愛さ”こそ、彼女独自の魅力であると言っても過言ではありませんw
そして、もう一人。
これまた違った意味合いで目と心を輝かせる少女がおりました。
もこ「おーーー……」
うち「きれいだね」
もこ「あーうん……」
もこ(って絵文字!? いつの間に!!?)
真実か創作かは別として、あまりにも有名な逸話がここに一つ。
かの小説家、夏目漱石は『I love you』を『月が綺麗ですね』と訳したとのこと。
片やこちらは等身大の女子高生、内 笑美莉。
想い人と肩を並べ、まばゆい夜空を見上げながら語った彼女の言葉。
では、彼女は先の言葉へどのような想いを重ねたのか…。
それより先は語るのも野暮というもの。
これまで以上に多くの変化や交流を生み出した、
まさしく“夢のような時間”もついに迎える終焉の時。
各々が抱える悩みや決意は異なるものの、今その目に映すは同じ輝き…。
彼女らの新たな門出を祝うかの如く、鮮やかに空を彩る打ち上げ花火。
もこ(まぁ…なんだ……)
吉田(すっげー……)
ゆり(…………)
まこ(ずっと一緒にはいられなかったけど)
うち(キモい奴ばかりだったけど……)
ネモ(クロとみんなのおかげで……)
多種多様な道のりを経て何の因果か巡り会った少女たち。
眼前に広がる色彩豊かな世界を見上げ、
彼女らの心を今駆け巡るのはまばゆく尊い青春のハイライト。
色とりどりな想いは花火のように打ち上がり、
弾けて混ざったその先で、辿り着くは皆同じ場所。
(…楽しかった)
爽やかでありながら、どこか切なさも感じる。
なんとも味わい深い余韻を残しつつ、
“夢の国”での輝かしいひとときはついにその幕を降ろすのでした…。
というところで第130話が終了。
エピローグをあと1話残すものの、
全編を通して“夢の国”での模様が描かれるのはここまでです。
今回は過去最大の計20ページという大ボリュームに加え、
一コマ一コマに内包された情報密度が高く、圧巻の一言…!
各キャラクターの緻密な内面描写だけに限らず、
ストーリーラインとしても遠足編全体を通して一貫したテーマ性が感じられ、
さらにはこれまでに描かれてきた各要素が次々と集約されていくなど、
改めて谷川ニコ先生の卓越した構成力に驚かされました。
また、何だかんだ実際に【東京ディズニーリゾート】へ
遊びに行きたくなったのも一つの漫画体験でしょうか?w
とにかく単体の1話としても、長編シリーズの締め括りとしても、
大変満足度の高い濃密なエピソードとなりました!
そして第13巻にはまだあと2話も収録されているという事実…!
私の【わたモテ】感想記事は一体いつ頃GW編へ突入するのやら…w
まぁ気長にね、気長にw(*´꒳`*)
(※【東京ディズニーランドホテル】の予約状況はこちら)
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=======※追記_ここから=======
2020年2月20日、
【わたモテ】聖地巡礼の一環として【東京ディズニーランド】を訪ね、撮影を行いました。
舞浜駅へ降りてからの各工程を動画に収め、“原作との比較”など、
聖地巡礼動画として編集しYouTubeで公開しています。
元ぼっちの少女がつまずき・巡ったその先で、ようやく紡いだ絆と奇跡…。
そんな“夢の国”での輝かしいひとときを追体験としてどうぞお楽しみ下さいませ~m(_ _)m
YouTubeチャンネルはこちら!:
【エンタメ日和のエンタメチャンネル】
=======※追記_ここまで=======
◆投稿動画
▼イベント紹介動画
【わたモテ】や【チェンソーマン】など、大好きなエンタメ作品のイベント開催時は
できる限り実際に参加し、その都度『紹介動画』を作成してきました。
これまでに作成した『紹介動画』は全てYouTubeで公開していますので、
何か気になる作品・イベントがありましたら、どうぞお手隙の際にでもご確認下さいませ。
▼聖地巡礼動画
現在、YouTubeで【わたモテ】の聖地巡礼動画を公開しています。
第1弾:【伏見稲荷大社】
第2弾:【東京ディズニーランド】
原作で描かれた“あの日々”の追体験として、どうぞお楽しみ下さい。
また、皆さんが聖地巡礼する際の参考にでもして頂ければ幸いです。
チャンネル登録の程、何卒よろしくお願い致します。m(_ _)m
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◆まとめ
以上が【わたモテ】第13巻の感想⑤となります。
長くなったので次の投稿に続きます。
それでは、また~(。・ω・)ノ゙
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