皆さん、こんにちは!エンタメ侍です。
今回は週刊少年マガジン2019年50号より、
【それでも歩は寄せてくる】の第35局の感想記事になります!
欅坂46菅井友香さん表紙の週マガ50号、本日発売です!『それでも歩は寄せてくる』第35話は文化祭デート編ラスト!最後はやっぱり…?#それでも歩は寄せてくる #週刊少年マガジン pic.twitter.com/RmHrindN3z
— たなP@週刊少年マガジン (@magazine_tanaP) 2019年11月13日
目次
◆【それでも歩は寄せてくる】第35局 感想
▼感想&考察
◎第35局
感想&考察
『第33局』から続く文化祭デートもいよいよ大詰め。
遊び疲れた二人はひとまずベンチに腰掛け一息つくことに。
すると、ここで歩君が取り出したのはポータブル将棋…!
歩 「センパイ 将棋盤を持っています こんなこともあろうかと」
うるし「おお! 用意いいな」
この場面、本当に何気ないことなんですが、“歩君がポータブル将棋を取り出した”という事実は
作品の構成上ちょっとした意味合いを含んでいるように感じました。
以下、『第31局』の感想記事より一部抜粋。
さらに、この第1巻『第12局』と本エピソードは密接な関係性にあると感じます。
経緯はどうあれ、
第1巻『第12局』ではうるしちゃんから歩君を下校デートへと誘っており、
うるし「まぁ お前がデートだと思うなら…それでもいいけど?」
という言葉が示す通り、実は当時“次の番”を迫られていたのは歩君の側でした。つまり、第1巻『第12局』と本エピソードは奇妙な対比関係にあり、
当時の歩君が受け手の側としては出せなかった“答え”を
今回は自らその言動と姿勢で真摯に示そうとしている、
そう読み取ることもできる構成となっていました。
実は第1巻『第12局』にてポータブル将棋を取り出したのはうるしちゃんの側であり、
こんな所でも上記した“奇妙な対比関係”が成り立っています。
(※第1巻『第12局』参照)
ところで、二人が将棋を指すのは『第31局』以来のこと。
この漫画が将棋を題材にしていること、皆さんは覚えていましたか?w(o^-^o)
うるし「どうだった?私のエスコートは」
歩 「とても参考になりました センパイがあんなに怖がりだとは」
うるし「おい!! しょーがないだろ 怖いもんは!」
歩 「冗談ですよ 楽しかったです」
歩君がうるしちゃんに対してこういった冗談を言うのは初めてのことかと思われます。
『第29局』にて、うるしちゃんは歩君が友達と“談笑”する姿を見かけ、
うるし「私といる時は笑わないなって思ってさ」
うるし「あの…じゃあ…私といると楽しくない…とか」
などと、少し落ち込んでいました。
(※『第29局』参照)
もちろん、そんな心配事は杞憂に終わった訳ですが、確かに歩君はこれまで
うるしちゃんを敬う気持ちが先行するあまり上記のような“すれ違い”を度々起こしています。
それを踏まえての先の会話の展開です。
つまり、“センパイがあんなに怖がりだとは”という冗談を呟ける程に、
歩君は心の中でさらにうるしちゃんへと歩み寄っている、
その事実が浮き彫りになった場面だと感じられました。
その後、“一番楽しかったのはどれか”といつにも増してグイグイ攻めていた歩君。
うるし「というか なんで そここだわるんだ」
歩 「来年も文化祭でデートする時のために 参考にしようと思いまして」
うるし「んぁ」
こういった攻め方には相変わらずタジタジな模様w
一拍の間を置き、少しごまかしながら答えるうるしちゃん。
うるし「ら…来年は将棋部で出店するからデートなんてできるかわからんぞ」
歩 「そうでした でも もしもの時のために一番が決まったら教えてください」
事実、将棋部発足まで“必要な部員数はあと一人”という状況であり、
彼女が長らく抱き続けてきた夢の実現ももうすぐそこまで差し迫っており、さらには
今や歩君も部員確保に尽力を注いでいます。
そんな彼が語った“もしも”な状況とは、一体どのような未来を指し示しているのか…。
うるし「……わかったよ」(もしもって…)
静かにうなずく純粋無垢な一人の少女。
彼の発言からどんな未来を思い描いたのか、少女はただ頬を染めるばかりだったのでした…。
しばらくの間、ベンチに座って将棋を指していた二人。
ふと、うるしちゃんは周囲の喧騒に耳を傾け、こう呟きました。
うるし「なんか変な感じだな 文化祭なのにベンチで将棋指してるって」
歩 「イヤでしたか」
うるし「んーん」
彼女の浮かべる笑顔と告げた言葉に嘘偽りなど一切ありません。
訪れた“非日常”の中で改めて感じる、“日常”の中の幸福…。
うるし「一番か…」
先程の問いかけに対し、こうして彼女はその答えへと辿り着きました。
うるし「全部一番てくらい楽しかったけど こうして田中と将棋指してるのは一番落ち着くかな」
歩「そうですか 嬉しいです」
めずらしく照れた表情を浮かべる歩君。
結果的に“攻めた”うるしちゃんも、彼の姿を受けて少しずつ動揺が駆け巡り…w
うるしちゃんが慌てて“お前は何が一番よかったんだ”と取り繕うように言葉を並べますが、
彼女がこうなってしまったらもうあとはアイツの独壇場…w
歩 「オレはセンパイといられればいつでも一番嬉しいです」
うるし「んぁ!? ズルいぞお前!!」
一体どちらが攻めていたのやら…w
とはいえ、今まであと一歩が素直に踏み出せていなかったうるしちゃんも、『第32局』での
うるし「デートしようって言ってんの」
という発言によって大きく前進することになりました。
そして当然、歩君もそんな彼女へと歩みを寄せて行きます。
この物語へまた新たな転換期を生み出すことになった一連の流れ。
先に待つ輝かしい“未来”への期待、さらには過ぎ行く“現在”への名残り惜しさも残しつつ、
文化祭編はこれにて堂々の終幕です…!
というところで第35局が終了。
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◆まとめ
以上が【それでも歩は寄せてくる】第35局の感想となります。
『第32局』から始まった文化祭編も今回でひとまず終了。
プロローグ的な扱いであった『第31局』も含めると全体で5話構成であり、
現時点で本作における最大の長編シリーズとなりました。
『第20局』の感想記事で記述した通り、
体育祭編では“歩君の成長”が描かれているように私は感じました。
一方、今回の文化祭編で描かれたのは“うるしちゃんの成長”という認識です。
今後の二人の関係性にも少しばかりの変化が訪れると予想され、
次回以降の展開にはそういった部分も注目していきたいと思います!
それでは皆さん、素晴らしいエンタメ人生を~(。・ω・)ノ゙
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