皆さん、こんにちは!エンタメ侍です。
今回は週刊少年マガジン2021年11号より、
【それでも歩は寄せてくる】の第93局の感想記事になります!
(※当サイトでは『マガポケ』で無料公開された後にその感想記事をアップしています)
今週の「それでも歩は寄せてくる」はうるしが運ばれています。そろそろ修学旅行です pic.twitter.com/SZaIgfJi8D
— 山本崇一朗.高木14ツバキ5将棋5 (@udon0531) February 11, 2021
目次
◆【それでも歩は寄せてくる】第93局 感想
▼感想&考察
◎第93局
感想&考察
歩君と凛ちゃんが対局する中、二人より少しばかり遅れて部室へやって来た我らが将棋娘。
早速“エアー将棋”で一手カマしつつ、彼女はいつも以上にやる気満々のご様子です。
歩 「えらくやる気ですね」
うるし「あぁ!来週から4日間修学旅行だからな その間部活に来れない分も指しとかないと」
歩 「なっ 4日…」
いわゆる“学園もの”や“部活もの”として本作の稀有な特徴の一つが
“数少ない主要キャラがそれぞれ異なる学年である”という点です。
修学旅行のような一大イベントに対して
『出向く者』と『残される者』にはっきりと立場が分かれてしまう訳であり、
本作の構成は作劇の上でかなり思い切ったものなのだと改めて感じます。
そして、今回うるしちゃんと同様に『出向く者』となる“彼女”がここで久々のご登場…!
マキ 「うるしー!!何してんだー!!修学旅行の説明と班決めがあるって言ったでしょー」
うるし「え!?それって今日だっけ!?」
第6巻『第79局』以来の登場となるマキちゃんですが、
おそらく今回の『第93局』が第7巻の最後に収録されるエピソードになると思われ、
つまりはほぼコミックス1冊分出ていなかったことになりますね。
もしかすると彼女の活躍はこの先の修学旅行編でたっぷり描かれることになるのかも?
マキちゃんのパイパイがナイナイでツライツライだった読者はもうちょいちょいですよ!(o^-^o)
うるし「じゃあ あの…一局だけ…すぐだから…」
マキ 「ゴメーン 借りてくねー」
うるし「猫みたいに言うな」
彼女は用件だけ伝えるとそのままうるしちゃんを脇に抱えて颯爽と出て行ってしまいました。
うるしちゃんのボディがミニマムなのか、
マキちゃんのパワーがマキシマムなのかの判断は、あなた次第です…!w
ということで、ここからは『残される者』たちの一幕へ。
対局を続ける傍ら、二人は先の修学旅行について触れることに。
凛「3泊4日で京都らしいですよ いいですねー京都 私も行ってみたいです」
歩「また食べ物のことを考えているな」
京都に思いを馳せる凛ちゃんのコマの背景には生八つ橋や西京漬けなど
名産品ばかりが描かれており、そこに観光地などは一切描かれていないあたりさすがです…w
そんな他愛もない話をする一方で、凛ちゃんには気になっていたことがありました。
凛「……というか田中さん…なんか今日弱くないですか」
凛「もしかして 部長が4日いないことで落ちこんでいるのですか?」
歩「なんのことだか」
凛「……さらに酷くなりましたけど」
うるしちゃんに対する歩君の秘めたる想いを凛ちゃんが知ったのは第6巻『第77局』でのこと。
以下、上記感想より一部抜粋。
彼の言葉通り凛ちゃんは今、真剣に憤っていました。問題はその原因です。
タケル「……そんなコトで剣道やめて怒ってんのか?お前は剣道一筋だったもんな」
凛 「そうじゃないです!それほど惚れたのに…!!」
凛 「未だに告白もできていない意気地なしに怒っているんですよ!!」
(※中略)
今にしてみればこの怒りの訴えがそっくりそのまま自身にも向けられていたことは明白です。
ただし、それでも似た者同士だからこそ理解できてしまう・共感してしまう、
遠回りながら自分の納得したカタチで想いを打ち明けたいという不器用すぎる己の在り方。
つまり、思うように恋路を発展できない歩君の姿に彼女は自分を重ねていたということ。
歩君の落ちこみ具合を指摘しつつも、その“不器用にも程がある恋心との向き合い方”に
実は誰よりも共感できているのが凛ちゃんなのです。
“そんなことで落ちこむな”とは決して言わないところに彼女の胸中が見え隠れしていますね。
歩「ああ そうだな… 実は少し…落ちこんでいる 凛の言った通りだ…」
歩「後輩に落ちこんでる所は見せられないと思ってな… すまん…」
凛「………」
ようやく素直に本心を打ち明けた歩君を前に、凛ちゃんの中では新たな決意が芽生えていました。
凛「わかりました」
凛「寂しさも忘れるほどガンガン特訓してあげますよ」
凛「部長が帰ってくるまでに強くなってびっくりさせてやりましょう!」
似た者同士、そして似通った状況でひたむきに想いを温めてきた両者ですが、
現時点においてこの二人の間で大きく異なる点が一つ。
それは、時に手を差し伸べ・時に背中を押してくれる“良き理解者”の存在です。
歩君が恋を成就させる上で凛ちゃんこそが彼の“良き理解者”となりつつある、
それが二人の現状です。
一方、凛ちゃんからすればそれは自らの恋路をさながら逆行するような行為であり、
ここでなんとも皮肉な構図が広がることに…。
しかし、そのような状況で彼女がどこか晴れやかな表情を浮かべているのもまた事実。
彼女はよく知っているのです…。
不器用な恋路の苦しさを、一途な片想いの切なさを。
歩「しかし よく落ちこんでるとわかったな」
凛「さすがに指し手が酷すぎましたから それにまぁ 気持ちはわかります」
凛「好きな人がいなくなった学校というのはけっこう寂しいものですから」
先の通り“自らの恋路を逆行している”との捉え方がある一方で、
新たに浮かび上がってくるのが“過去の自分の救済”という見解です。
凛ちゃんは自らを重ねた歩君の恋路をサポートすることで、
過ぎ去りし日々へ置き去りにしたままだった少女の恋心、すなわちかつての自分自身へ
時を超えて手を差し伸べている、そのような構図にもなっているのです。
その過程で今の彼女にまた“新たな変化”が訪れることもあるでしょう。
達観していても・悲観していても、そこにいるのは恋を知ったばかりの初心な乙女。
つまるところ、少女の恋路はまだまだ始まったばかりということ…。
ところで相手に自分を重ねるのはいいとして、若干本心が漏れすぎている気もする凛ちゃん…w
歩「そうか 凛にもそんな経験があったのか」
凛「あ…」
『NO MORE 後悔、NO MORE 白旗』
恋と同様、若者のひたむきな挑戦を応援する本作からの最後のメッセージ。
“つい余計な一言を口走ってしまった場合の処世術”がこちら…!
凛「ありませんでしたけど!!」
歩「え!?」
『POWER is JUSTICE』
認めず・ひるまず・相手にせず、押し切る力で未来を掴め!
愛嬌さえありゃなんとかなるっちゃ!!\(^o^)/
“ビューティフルな夢物語”を引っ提げこちらも強引に〆たところで第93局が終了。
=======※追記_ここから=======
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◆まとめ
以上が【それでも歩は寄せてくる】第93局の感想となります。
うるしちゃんの修学旅行、つまりメインヒロインの一時離脱を前にして紡がれた、
似た者同士な後輩二人の物語。
そこに感じるものはやはりメイン二人の関係性とも全く異なる“繋がり”であり、
この二人ならではの“新たな変化”を予感させてくれますね。
来たる修学旅行編がどれだけの尺で描かれるのかは現時点で不明ですが、
もしもうるしちゃん側と歩君側でしばらく別々のストーリーが進行するとしても、
それはそれで色々と物語が転がりそうで楽しみな限り。
修学旅行先でのうるしちゃん側のストーリーがあるとして、
この機会にマキちゃんとの友情話なんかも読んでみたいところです。
ちなみに今回の『マキちゃんのパイパイがナイナイでツライツライ…』辺りの文章は
ほとんど手癖で書き進めただけあって自分で見返していてもヒドイヒドイなんだぜ…!(o^-^o)
それでは皆さん、素晴らしいエンタメ人生を~(。・ω・)ノ゙
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